恋愛依存について(コラム)

恋愛を苦しめる大人の愛着障害の特徴を紹介

今回のテーマは、「大人の愛着障害の特徴について」です。

最近、カウンセリングでも「私は愛着障害なんじゃないか」みたいなことをよく相談されるようになりました。それだけ愛着障害という言葉が広く知れ渡っている印象を受けます。

確かに、子供の頃に愛着を形成出来なかった方は、大人になってから人間関係の構築に苦戦する傾向があります

今回は、愛着障害とはなにか、どうすれば克服出来るのかを説明していきます。

動画で見たい方はこちらからご覧ください。


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愛着に傷を抱えた人々

今回の内容は、愛着の形成につまずいている方向けになります。

主にこのような特徴を持ちます。

・他者に自分をさらけ出せない
・他者に気遣う、合わせてばかりいる
・何かに情熱を持って取り組めない、冷めがち、飽きっぽい、趣味がない
・他者への攻撃性が強い(幻滅しやすい)
・拒否される、否定されることがとても怖い
・一人でいると不安感が強い、孤独感に襲われる

このような特徴を持っている方は、愛着形成につまずいている可能性が高いです。

 

愛着ってなに?

愛着障害というものを紹介するにあたって、まずは愛着という言葉の意味を説明します。そうしないとその先の説明の意味がわからなくなるので。

愛着は、英語ではアタッチメントという単語で表されます。アタッチメントには、他には『くっつく』とか『装着』といった意味があります。

生き物のアタッチメントについて、すごく狭い意味で簡単に説明すると、子供が自分の身を守るために親にくっつくことです。

例を挙げて説明すると、「生まれたての雛鳥は親鳥の後ろを付いて回る」なんて話を聞いたことあると思います。

これがまさにアタッチメントです。雛鳥は自分を守ることが出来ないから、親鳥の後ろを付いて回ることで、親鳥に守ってもらったり餌をもらったりしています。

 

人間にとっての愛着とは

では人間にとっての愛着とはなにかを説明します。

人間の場合、雛鳥とは違って、生まれたての赤ちゃんは自力で歩くことも出来ません。はいはいも出来ない。つまり自分から動くということが出来ません。

そこで赤ちゃんは自分から近づくのではなく、親に近づいてもらう必要があります。これが鳥とは大きく違う点で、人間が他者と関係を築きたいという気持ちの根っこになっています。

赤ちゃんは、親に来てもらわなければ何も出来ない。そこで親に来てもらうためのアクションを起こします。代表的なものが、お腹が空いたら泣くという動作です。

赤ちゃんは頻繁に泣きますよね。そして泣いたら親が来てくれて、泣いてる原因を取り除いてくれます。お腹が空いてるならミルクを与える。おむつが濡れていたら取り替えてあげる。

さらに赤ちゃんは成長するに連れて、特別な人にだけ微笑むということをやります。誰にでも微笑むわけではなく、特定の人にだけ。

これは生みの親に限らず、自分を一番守ってくれる人に対してです。つまりその子を一番育ててくれる人、養育者ですね。

自分を一番育ててくれる人、守ってくれる人というのを赤ちゃんは経験の中で理解します。そしてその人に対して微笑む。

これが愛着という言葉に愛っていうのが付いている理由ですよね。特別な人に愛を持つ。そして愛を答えてもらう。

親への愛と、親からの愛。その相互作用が愛着を育みます。

そしてその中で赤ちゃんは、自分が働きかけたら守ってもらえる。そんな安心感を心に宿すことが出来ます。

これが人間の愛着です。

 

愛着障害とは

では愛着障害とはなにかというと、親との間に心理的な繋がりが形成出来なかったということです。

正式には病名としては反応性アタッチメント障害などいくつか種類があるんですけど、そういう病名で呼ばれます。

主に5歳までに発症する子供の精神障害です。大人には使われません。子供限定の障害という位置づけです。

色んな症状がありますが一例を挙げると、笑顔がない、親がスキンシップを取ろうとすると嫌がる、攻撃性が強い、対人交流を怖がるなど他者との関係で不安定な反応を見せることになります。

ただしよほどのことがない限り、反応性アタッチメント障害という診断はされないので、病気と診断されるのは一握り。実際は、愛着に傷を抱えている子供はかなり多いと言われています。

かくいう私もその一人です。

そういった子供は、心に安心感を持てないまま成長していきます。この心の拠り所、安心感は、『安全基地』と呼ばれてます。

子供は親を頼りにして、その親から少しずつ離れて外の世界を探検していきます。そして外の世界で怖いことがあると、また親のそばに戻り安心感を得る。

外に冒険して疲れたら安全基地に帰って休む。その繰り返しです。そうやって親という安全基地をベースに、子供は少しずつ外の世界に足を踏み出し、やがては自立していきます。

その安全基地がないまま育ってしまうと、心の拠り所がなく不安を感じやすかったり、外の世界に踏み出す勇気が持てず、自立できないまま育ってしまうことになります。

 

『大人の』愛着障害とは

続いては今回のテーマである『大人の愛着障害』について説明します。

愛着障害は子供限定の障害という定義なので、大人の愛着障害は正式な病名ではありません。通称です。

私自身は、病気ではないのに『障害』という言葉を使うのに抵抗があるので、『愛着に傷を抱えている』というような表現をしています。

子供の頃に愛着に傷を抱えたまま大人になった状態ということです。

 

愛着に傷を抱える様々な原因

ではなぜ愛着に傷を抱えてしまうのか。多くの場合は子供の頃の親との関係が影響します。

代表例が、虐待、厳しすぎるしつけ。またはその逆の過干渉、過保護。

その他には、親自身が愛着に傷を抱えているため、子供にどう接していいかわからず絆が作れなかった。仕事が忙しかったり貧しかったりで、子供を相手する時間が作れなかった。

特に過程に問題はないんだけど、性格的な理由で愛着の形成が不十分ということもあります。親が鈍感で、子供が泣いたり笑ったりしてもあんまり気づけなかったとか。子供が泣かない子で、親が構う必要がないと感じてしまったとか。

こういう家庭の場合、親子関係は決して悪くはない。だけど、子供はどこか寂しさを抱えて生きていくことになる。そんなケースになりがちです。

私のところに相談に来る方でも、特に親子関係は悪くないんだけど、人を信用出来ないという方は多いです。

一見すると普通の家庭で問題のない親子でも、ちょっとした心のすれ違いから愛着に傷を抱えてしまった。そんな隠れ愛着障害みたいな家庭も多いと感じています。

 

3つの愛着スタイル

他者と深い関係を構築する上で、人それぞれの持つ愛着スタイルというものが大きく影響すると言われています。

愛着スタイルは大きく3つあります。

1安定型
2不安型
3回避型

1つずつ説明します。

1.安定型

安定型は子供の頃に親との愛着がしっかり形成出来たタイプです。他者と絆を作るということがしっかり実感出来ています。

だから大人になっても、恋人や職場関係で絆、信頼関係を構築することが出来ます。

 

2.不安型

不安型は愛着を形成出来なかったタイプです。

「自分はだれとも愛着を形成出来ない」という思いが胸に根強く残ってしまっています。

心の安全基地がないからいつも不安で、その不安感を拭おうとして、誰かと一つになりたいという願望がすごく強くなります。

しかし、誰かと親密になろうとしても、「どうせこの人も自分を見捨てるだろう」という思いが強くなります。

そんな思いから、相手を信じることが出来ず絆を形成することに苦戦してしまいます。

 

3.回避型

回避型は、愛着を形成出来なかった分他者と親密になるのが怖いと感じてしまっています。

なので誰かと親密になることを避けてしまう。八方美人で誰とでも仲良くなれそうだけど、特定の親密な人を作ることを避ける。そんな特徴があります。

このうち、恋愛で最も苦しみやすいのが、2の不安型愛着スタイルということになります。

 

不安型愛着スタイル

不安型愛着スタイルについてもう少し詳しく特徴を説明します。

以下のような特徴があります。

・他者に気を使いすぎ、自分を出せない
・見捨てられる恐怖が強い
・孤独感、不安感が強い
・恋愛にのめり込みやすい(愛されたい願望が強い)
・恋人への不満が多い(愛が足りないと感じやすい)
・相手を傷付ける発言をしてしまう

もしかしたらこれを読んでいるあなたにも当てはまる特徴があるのではないでしょうか?

 

愛着の傷をどうやって治していくか

では特徴がわかったところで、解決策を説明していきます。

愛着の傷というのは、子供の頃に親との間に絆が十分に作れなかったということです。

安定型の人は子供の頃に親と絆を形成出来た。だから、その実体験をもとに他の人とも絆を形成出来ます。

しかし不安型の人は残念ながら、子供の頃に絆を形成出来なかった。言ってみれば、子供の頃に完了させた方が良い課題を未だに完了させられてない状態ということです。

これは本人が悪いわけじゃなくて、不幸にも課題をやるチャンスをもらえなかったのです。子供の頃に誰かと絆を形成することが出来なかったから、今も絆を形成することに苦労しているし、私には無理だと思ってしまっている。

ではそれを解決するにはどうするか?それは、今からその課題に取り組むしかないのです。課題を完了させられなかったことが問題なのだから。

愛着の傷を直すには、今これから誰かと絆を作っていく必要があります。

自分が信頼出来る誰かと絆を作る。絆を作る相手は様々なケースがあります。

 

恋人

一番理想的なのは恋人です。しかしそれは中々難しい課題でもあります。なぜなら、恋人は不安定な人の相手をし続ける必要があるからです。

愛着に傷を抱えているから相手を信用出来ない、疑ってしまう。それは仕方がないことですが、それを受け止め続けてくれる恋人が必要になります。

しかし恋人だって普通の人間だから、疑われたら辛いししんどいです。だから、愛着に傷を抱えた方は恋愛で苦労しやすくなる。

恋人を疑ったり嫉妬したり、信じられなくなると相手を傷つけたり。それを受け止めてくれる恋人は、よほど心が安定してないと出来ない。もはやパーフェクトヒューマンなんです。

もちろん、そういう方にめぐりあえて愛着の傷を癒やすことに成功した方もいます。

もしくは、不安定な恋人同士の不安定さがたまたま噛み合い、お互いがお互いを癒やす存在となり、二人とも愛着の傷が癒えたというケースもあります。

しかし、可能性としてはやはり低くて、何度も恋人と別れることを繰り返す人も多くなります。

 

次が親です。

愛着の問題は子供の頃に親との間で絆が作れなかったことが発端なので、親とその課題に取り組むことができれば解決することも多いです。

しかし、虐待する親とかしつけが厳しい親とか、親側に明確に問題がある場合、その親がまともに課題に取り組んでくれる保証はありません。ますます愛着の傷が深くなってしまう可能性も高いです。その場合は親に頼るのは止めましょう。

親がごくごく普通の方で、普通の家庭なんだけど、ボタンの掛け違いから愛着に傷を抱えてしまった。そんな場合は親に頼るのも良いと思います。

 

専門家

恋人も親も頼れない。色んな恋人と付き合ってもうまくいかなかったという場合は、カウンセラーや精神科医など専門家を頼るのがおすすめです。

お金も時間もかかるし、抵抗があるという気持ちもよくわかります。しかし愛着の傷を治すにはそれくらいのコストは必要になります。

私自身の場合も、2年半カウンセリングに通って、愛着の傷が徐々に治っていった実感があります。そして今、カウンセラーをやっています。

ただし、絆を作る上では相性が大事になってきます。人間同士の関係なのでどうしても相性はあります。なので専門家を選ぶということも大切です。

私も2年半通う人を見つける前に、2人のカウンセラーと会ってます。だけどその人達とはしっくりこなくて、3人目で長く通える方と知り合えました。

 

恋人でも親でも、カウンセラーでもあとは友人でも、とにかく誰かと絆を作る。それができれば、愛着の傷は少しずつ治すことが出来ます。

 

絆を形成するために大切なこと

誰かと絆を形成する上で大切になってくるのが、相手とのコミュニケーションです。

絆を作るコミュニケーションで大切なポイントは以下のとおりです。

・自分の気持ちを素直に伝える
・相手の気持ちを素直に聴く
・攻撃以外の表現を学ぶ
・相手の立場に立って考える

今あなたはこれらが出来ているでしょうか?

最初に赤ちゃんの話で説明しましたが、愛着の基礎は『赤ちゃんが微笑んだら親が抱きしめる』です。

愛着は自分と他者の相互作用で育まれていきます。だから自分の気持ちを出すことと相手の気持ちを聞くこと。この相互のやり取りが絶対的に大切になってきます。

この絆を作るコミュニケーションは、『アサーティブコミュニケーション』と呼ばれています。
別の動で説明しているので、良ければそちらも合わせてご覧ください。

 

ただし相手を疑うときは必ず来る!

ただし注意点として、あなたが愛着に傷を抱えている場合、その傷の影響で相手を疑ったり、不安になったり、嫌いになることは必ずあります。愛着の傷とはそういうものだからです。。

絶対に相手を疑うときは来ます。恋人に対して浮気を疑ったり、見捨てられる不安に駆られたり、そういうことはおそらく今までもあったと思います。

これは当然なんです。そしてそれをあなたは変えていかなければならない。変えるためには相手との絆を作ることが必要です。

もし相手を疑うままに相手との関係を終わらせるようなことをしたら、絆は形成されず今のまま何も変わりません。

なので例え不安になっても、あなたから関係を終わらすようなことはしてはいけない。これが一番難しいところではありますが、乗り越えるべき壁です。

疑う気持ちがあっても自分の心を伝えること。相手の心を聞くこと。これを続けていくことで他者と関係を構築するということが実感としてわかってきます。

これはいくら言葉で説明しても伝わらなくて、続けていく中で心から実感してもらう必要がある。

これは例えば、自転車の乗り方のようなものです。

自転車の乗り方を口でいくら説明しても練習せずに乗れるようにはなりません。そして自転車に初めて乗ったときも、最初はバランスの取り方がわからずすぐに転んでしまっていたはずです。しかし一旦乗れるようになると、今度は乗れなかったころの感覚がわからなくなりますよね。当たり前に乗れてしまうから。

コミュニケーションもそれに近い感覚があります。他者と関係を築くとはどういうことかが、実感としてわかってくる。

その実感が、あなたの不安感を消すんです。その実感が芽生えるまでは不安はあってもしょうがないし、それが普通なんです。

不安を持ちながらも、絆を形成しようとする。その時期が一番大変なんだけど、それをあなたは乗り越えないといけない。

それが子供の頃に置き忘れてきた課題です。その課題を今度こそ、完成させましょう。

 

さあ愛着の問題を乗り越えよう!

人間は一人では絶対に生きていけない動物です。赤ちゃんは自分では何も出来ないから、泣くことで自分を助けてもらう。

これは人間の本質です。

大人になっても、社会に支えられて、社会を支えて生きていきます。

その社会との絆を作る能力が愛着です。

あなたはその愛着に傷が出来ている。だから社会の中に取り残されているようなそんな感じがしていると思います。

人間が人間らしく、幸せに生きていくには、愛着というのは必要不可欠な能力です。ぜひ今から、子供の頃に置き忘れてきた、愛着の課題に取り組んでいきましょう!

絶対に出来ます。あなたも私も人間です。人間は愛着が形成できる能力を備えています

絆を作ることを諦めないでください。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

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