今回のテーマは、「愛着障害 不安型の特徴」です。
大人の愛着障害には、その特徴の出方からいくつかのタイプがあると言われています。不安型はその1つです。
大人の愛着障害の概要については、以前別の動画で説明しているので詳しくはそちらをご覧ください。
愛着障害は恋愛依存、共依存と非常に深い関係があります。
特に不安型の愛着障害は、恋愛依存になりやすい特徴が出てきます。
今回は、不安型の愛着障害の特徴について説明します。ぜひ最後までご覧ください。
動画で見たい方はこちらからご覧ください。
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大人の愛着障害の不安型の特徴
大人の愛着障害とは
最初に、大人の愛着障害とは何かを簡単に説明します。
こちらは先ほどもお話した通り、以前別の記事で詳細を書いていますので、詳細はそちらの記事をご覧ください。
愛着障害というのは、子供の頃に親との間に心の結びつきが上手く作れなかった状態です。その結びつきを愛着って呼びます。
その愛着が作れなかったことで、対人関係などで様々な問題を抱える精神障害です。
ただしこれは子供に診断される障害なので、大人に対しては、『大人の愛着障害』と呼ばれます。
子供の頃に親との間に愛着を作れなかったという問題が、大人になってからも影響を与えている状態ということですね。
様々な愛着スタイル
一口に大人の愛着障害と言っても、特徴は様々あります。
その特徴の出方を分類したものを、『愛着スタイル』と呼びます。
今回のテーマである、『不安型』は愛着スタイルの1つということですね。
愛着スタイルは4種類あると言われています。
1.安定型
安定型は、親との間に安定した繋がりが築けたスタイルです。なのでこれは大人の愛着障害にはならなかったタイプですね。
この安定型以外のスタイルが、大人の愛着障害となります。
2.不安型
今回のテーマである不安型です。子供の頃に親との間に不安定な愛着関係を経験したことで、人間関係に対して不安感を強く感じています。
自己価値観、自己肯定感が低く、自分に自信が持てません。
他者に対する恐怖や見捨てられ不安が強く、他者に依存しやすい傾向があります。
恋愛依存の1パターンである、『共依存』と非常に関連の深いスタイルです。
3.回避型
回避型も人間関係に対して不安を感じていますが、不安を感じてるから距離を取ろうとします。
誰にも縛れたくない。責任を取りたくないと感じています。他者と親密な関係を築くのが苦手なので、恋愛をしてもすぐ別れたり、浮気を繰り返したりといった傾向があります。恋愛依存の1パターンである、『回避依存』と非常に関連の深いスタイルです。
4.恐れ・回避型
不安型、回避型の両方の傾向が強いスタイルです。なので混合型とも呼ばれます。
近づいたと思ったら遠ざける。といった、両極端な反応を示しやすくなります。
不安型の恋愛の特徴
では、今回のテーマである不安型の恋愛での特徴を見ていきましょう。
1.依存心と見捨てられ不安
不安型の方は、恋人に対して強い依存心を持ちやすくなります。
恋人に捨てられたら自分は終わりだという恐怖を強く感じている。
同時に、恋人が自分から離れていくのではないかという見捨てられ不安も強くなります。
この見捨てられ不安が、相手を束縛するとか、すがったりとか、そういった行動に繋がっていきます。
2.過剰な期待と要求
不安型の方は、恋人に対して過剰な期待感を持ちます。
自分を100%完全に愛してくれる、常に自分の側にいてくれる。そんなことを相手に期待するのです。
これは子供の頃に親から得られなかった反動とも言えます。
自分の中の不足感を、恋人の愛で埋めようとしてしまいます。
3.感情の浮き沈みが激しい
感情の浮き沈みが激しく、安心感が得られないと強い不安や焦りが湧き上がってきます。
それが恋人への怒りとして表れると、激しく恋人を罵ったりケンカになることも多くなったりします。
恋人への愛と憎しみが極端に振れるので、お互いに疲弊してしまいます。
4.自分の気持ちを適切に表現できない
自分の思っていることを相手に伝えるのが苦手な傾向が強いです。
言いたいことが言えなかったり、言おうとしても上手く相手に伝わらなかったりで、ストレスを抱えることが多くなります。
それが強い怒りとして表れ、相手を罵ったり傷つけたりすることもあります。
言わないことも、罵ることも、どちらも自分の思いを上手に伝えているとはいえません。
このように恋人との心の交流に難しさを抱えることになります。
このような特徴から、恋愛をしていても不安ばかりで苦しい…けど恋人がいないと寂しさと不安で押しつぶされそうになる…いざ恋人ができても恋愛が長続きしない…
といった悩みを抱えてしまいます。
不安型になった理由
では、どうして大人の愛着障害の不安型になってしまったのか?
先ほどから何度もお話していますが、愛着障害というのは子供の頃に親との間に心の結び付きが上手く作れなかった状態です。その心の結びつきを愛着と呼びます。
愛着は親と子供の交流によって育まれます。
それは例えば、子供が微笑めば親も微笑む。子供がお腹が空いて泣いたら、親がミルクをあげる。
そういう交流の中で、「自分が働きかけたら周りは応えてくれる」という安心感・信頼感を得ることが出来るんです。
その信頼感というのは、
・他人は信頼できる存在だ
・私は他人に信頼される存在だ
という、他人に対する信頼と、自分自身に対する信頼の2つがあります。
発達心理学では、これを『基本的信頼感』と呼びます。
この『基本的信頼感』が心の軸となって、私達は自己肯定感を育み、他者と関係を構築していくのです。
大人の愛着障害の方は、悲しいことにこの信頼感を親との間に構築できなかったのです。
例えば、親が亡くなっていなかったり、多忙で留守にしがちだったり、無視されたり、虐待をしてきたり、親の言うことを聞いたときだけ褒めてくれたり。
そういった様々な問題があって、親との間に心の結びつき、愛着を構築できなかった。『基本的信頼感』が育まれなかったのです。
大人の愛着障害の方は、『基本的信頼感』が育まれないまま大人になった方々ということです。
自分も他人も信頼出来ない
その結果、
・他人を信用出来ない。他人は自分に冷たくする。他人は自分を愛してくれない。
・自分を信用出来ない。自分は他人に愛される資格はない。愛されるには努力し続けるしかない。
といった考えが、心に深く根付くことになります。
その考えが影響して、恋愛において、恋人に見捨てられないか常に不安だったり、不足した愛情を恋人から得ようとしたり、自分の思いを相手に伝えられなかったり。そういった特徴が表れてしまいます。
それが愛着障害の不安型というスタイルになっていくんです。
これは決してあなたの性格が悪いとかいう問題ではありません。たまたまあなたが育った環境で愛着を育めなかった。環境の問題なんです。
そして、環境の問題ならこれから変えていくことも可能なんです。
克服に向けて
では、大人の愛着障害はどうやって克服していけばいいのか?
ここからは克服に向けての説明をしていきます。
大人の愛着障害になった最初のきっかけは、子供の頃に親との間に『基本的信頼感』が育まれなかったことです。
ということは、大人の愛着障害を克服していくには、これから基本的信頼感を育んでいく必要があります。それは別に親である必要はありません。
誰かとの間に信頼感を構築していけばよいのです。
そのためには、「自分を出して、相手が受け入れる」ということを繰り返していくことが必要です。
不安型の方は、中々自分の思いを伝えられないか、伝えるときは怒りとして伝えやすいという特徴があります。
それだと、「自分を出して、相手が受け入れる」ということが中々練習できません。
もっと素直に、「今自分が思っていること」を伝えていく必要があります。
まずは自分の想いを外に出すこと
とはいえ、「自分の思ってることがわからない」という方も多いはずです。
自分の思いがわからないから、伝えるのも難しい…。と。その気持はよくわかります。
そこでおすすめなのが、日記を書くことです。
自分が思っていることを、まずは日記に書き出すこと。そしてその日記を自分で読むこと。
自分から自分に思いを伝える練習をするのです。
少しずつ自分の想いを相手に伝える
そして日記で思いを表現出来るようになったら、少しずつそれを恋人や親友など、誰かに少しずつ伝えていきましょう。
最初はすごく抵抗があると思います。「こんなことを言っていいのか」とか、「こんなこと言って嫌われないか」とか。不安も強く出てくると思います。
小さなことでいいので、少しずつ自分の思い、意見を伝える練習をしていきましょう。
キーワードは、「私はこう思う」です。
これは、「アサーティブコミュニケーション」というコミュニケーションのスキルとしても有名です。
「話をして、相手がそれを聞いてくれる」それの繰り返しが、徐々に他者や自分への信頼感を育てていきます。
そうすると不安型の極端な特徴も徐々に収まっていきます。
私の恋愛依存克服プログラムでは、毎日日記を書いて提出してもらっています。そして、提出された日記を私が見ます。
これはまさに、自分を出す練習です。
これを続けることで、実際に「自分を信じる力」、「他者を信じる力」が養われていってます。
ぜひ、まずは日記を書くことからやってみてください。
終わりに 信頼関係が自己肯定感を育てる
本日は、大人の愛着障害の不安型についてお話してきました。
大人の愛着障害は、子供の頃に親との間に愛着を築けなかったことで、『基本的信頼感』が育ってない状態です。
信頼感には、
・他人は信頼できる存在だ
・私は他人に信頼される存在だ
という2つがあります。
この信頼感がないから、恋人に依存的になり、見捨てられ不安が強くなってしまいます。
これを克服するには、他者との間に信頼感を築いていくことが必要になります。
そのためには、『自分の想いを相手に伝え、相手に理解してもらう』という練習が必要不可欠です。
この交流が、自分の心の軸となり、自己肯定感が育つきっかけにもなるのです。
つまり、自己肯定感が高いから自分を出すのではありません。順番が逆なのです。自分を出すことによって、自己肯定感が高まっていくのです。
だからまずは、自分を出せる場所。出せる相手を見つけ、そこで練習をしていくということを続けていってください。
では、本日の内容は以上です。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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