コラム(恋愛依存について)

なぜ怒ってしまうのか?怒りに隠れた感情〜怒りのメカニズムを解説〜

今回のテーマは、「怒りのメカニズム」です。

「またカッとなっちゃった…」、「なんで私ばっかりこんなにイライラするんだろう…」

あなたは、そんな風に悩んだことはありませんか?

つい怒ってしまって後悔したり、自己嫌悪に陥ってしまったり……そのように悩んでいる人は非常に多いです。

しかし、怒りを感じることは決して悪いことばかりではありません。むしろ、怒りには自分自身の大切な想いが隠れていることが多いです。それに気付くことは、自分自身を大切にすることに繋がっていきます。

今回は、怒りのメカニズムと、怒りに隠された感情について解説します。

この記事を読めば、『怒り』と上手く付き合えるようになり、後悔や自己嫌悪が減っていくでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

怒りとは

最初に、怒りとはどういったものかを説明します。

怒りは、不快な刺激や状況に対して生じる感情です。人間に備わっている感情の中でも、最も基本的な感情の1つです。

怒りを感じると身体に作用を及ぼし、心臓がドキドキしたり、呼吸が速くなったり、体に力が入ったりします。

怒りは、脳の『扁桃体』という部分で生まれます。一方で、理性をコントロールするのは『前頭前野』という部分です。

怒りは理性とは別の場所で生まれ、理性との綱引きで爆発するかどうかが決まります。

 

怒りは良くない感情?

『怒り』という感情に対して、ネガティブなイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか?

怒ったら「また怒ってしまった…」と落ち込んだり、「怒ってはいけない」と怒りを必死で抑えようとしたり。『怒り』なんてなかったらいいのにな……と思っている方も多いと思います。

では、怒りは人間にとって不要なものなのか?というとそんなことはありません。感情はそれぞれ役割を持っています。怒りにも大切な役割があるのです。

 

怒りの大切な役割

では怒りの役割とは何でしょうか?

怒りの大きな役割は、私たちが直面する危険や脅威に対して素早く反応することです。怒りは、危険な状況の中で、自分の命を守るために、「戦う」または「逃げる」というとっさの反応を引き出すのです。

「戦う」反応は、脅威に立ち向かうための行動を促し、自分や自分の大切な人を守るための力を発揮させます。一方、「逃げる」反応は、危険から遠ざかるための行動を促し、身を守る手段となります。

この二つの反応は、私たちが危険な状況に対処するための本能的なメカニズムです。

 

怒りの役割の具体例

一つ具体例でお話します。例えば、道を歩いていたら、ひったくりにバッグを盗まれそうになったとします。その瞬間に、怒りが湧き上がるでしょう。

これは頭で考えるよりも先に、瞬間的に湧き上がります。そしてその怒りは、「この状況をなんとかしないと!」と感じさせ、ひったくりに対抗するためのエネルギーを与えます。

瞬時に身体を動かせるように、心臓がドキドキし、身体に力が入ります。そして、相手に立ち向かうか、素早く逃げるかの判断を促すのです。

今回の場合、ひったくりを攻撃してバッグを奪い返すとか、バッグが奪い取られる前に素早く走り出して逃げるといった行動に繋がるでしょう。

このように、怒りは危険な状況において迅速に行動を取るための大切な感情です。怒りは私たちを守るために存在する重要な感情であることを理解していただけたでしょうか?

 

怒りに隠された感情

怒りは、私達に降りかかる危険や脅威に対処する感情ですが、一言に『脅威』といっても、様々なものがあります。

例えば、私達が感じる『悲しみ』、『寂しさ』、『不安』などの感情。これらを生み出す原因も、ある意味で私達にとって脅威と呼べるのです。

悲しい出来事があった⇢これを取り除かなければならない⇢怒りが生まれる

といった形で、悲しみが生まれた状況を『脅威』と感じ、その『脅威』を取り除くために、怒りが生まれているんです。

例えば、恋人にLINEを送ったけど中々返ってこない。「なんで返信もくれないの!」とイライラする。これは、LINEの返信が返ってこない寂しさや悲しみが怒りにつながっています。

このように、私達が「なんだかイライラする」と感じるとき、その裏側には、悲しみや寂しさ、恐怖などが隠れていることも多いのです。

 

二次感情としての怒り

このように、別の感情を元に生まれる感情を『二次感情』と呼びます。悲しみや寂しさを取り除くための怒りは、まさに『二次感情』なのです。

そして、怒りをどうにかしたいと思うなら、その裏にある『一次感情』に気付くことが大切になります。

先ほど説明した通り、怒りは脅威を取り除くために、「戦う」、「逃げる」行動を促す力があります。

 

先ほどの例で、恋人にLINEを送ったけど中々返ってこない。「なんで返信もくれないの!」とイライラする。というものがありました。これは、怒りの裏側に寂しさや悲しみといった一次感情がありました。そして怒りは、その一次感情の原因を取り除くために働きます。

例えば、

LINEの返信をくれない恋人とケンカをする⇢戦う選択

LINEの返信をくれない恋人と別れる、LINEをブロックする⇢逃げる選択

といった感じです。

これは先ほどお話した、ひったくりに対処したのと全く同じメカニズムです。このように、怒りは私たちを守るために必死に働いている感情なのです。

 

怒りの問題点

怒りは私達を守るために必死で働いてくれます。しかし時として、その働きが私達を余計に苦しめることがあります。

それは、自分を守るために行った、「戦う」、「逃げる」行動が、事態をかえって悪化させるときです。

LINEの返信をくれない恋人に対して、ケンカをしたり、別れを選んだりする。

それは確かに、一時的には寂しさを解消する効果があるかもしれません。しかし、長期的に見れば、「ケンカをすることで恋人との溝が深まる」、「別れたことで余計に寂しくなる」といった悪影響を及ぼす可能性があります。

これが、「カッとなって行動して、後から後悔する」典型例です。

こうならないためには、私達の理性でしっかり考え、怒りの行動をある程度コントロールしていく必要があるのです。怒りの行動をコントロールすることで、後悔したり、自己嫌悪に陥ったりすることが減ってきます。

『怒り』という感情そのものを無くすというよりは、その怒りの行動が適切かどうか?チェックすることが大切です。

 

怒りの行動をコントロールする5ステップ

では、怒りの行動をコントロールするにはどうすればいいのか? ここからは、後悔や自己嫌悪を減らすための『怒りの行動のコントロール方法』について説明していきます。それはこれから説明する5ステップです。

 

1.怒りの感情に気づく

まずは、自分が今怒っていることに気づくことが大切です。「あ、私は今怒ってるな」と、客観的に自分を見つめるようにしましょう。

これには、普段から「私は今どんな感情を持っているかな?」と自分の感情に気づく習慣を付けることが重要です。

 

2.一次感情に目を向ける

怒っていることに気づいたら、自分がなぜ怒っているのか? 怒りの裏に隠された一次感情に目を向けましょう。

先ほどのLINEの例なら、恋人から返信が返ってこない寂しさや悲しみでした。

「あ、私は本当は、寂しかったんだ。寂しさを癒やしたくて怒ってたんだ……」ということに気付くことが大切です。自分の中に隠された感情に、しっかり寄り添ってあげましょう。

日記などに書き出してみるのもオススメです。書き出すことで自分の中にある想いに気づきやすくなります。

 

3. 怒りの行動パターンを見つめる

続いて、自分の怒りの行動パターンを見つめ直してみましょう。

先ほどのLINEの例なら、「LINEの返信が来ないとイライラしてケンカをしてしまう」というパターンがありました。これが自分が怒ったときの行動パターンです。

そして、その行動の結果どうなったか?もしっかり振り返りましょう。

「ケンカになった結果、恋人との溝が深まった」

これが今回の例です。

このように、自分が怒ったときの行動パターンと、その行動をした結果どうなったか?を見つめ直す習慣を付けてみましょう。

 

4.結果を振り返る

行動の結果を見つめ直したら、その結果は理想通りか?を振り返ってみましょう。

2ステップめで、怒りの裏に隠れた一次感情に気づいてもらいましたね? その一次感情を満たすような結果になっているでしょうか?

今回の例でいえば、隠れた感情は寂しさや悲しみでした。では、恋人とケンカすることで、寂しさや悲しみは満たされたでしょうか? ということですね。

ケンカをして恋人との溝が深くなれば、当然寂しさや悲しみは満たされないですよね。ますます寂しく、悲しくなっていくでしょう。

つまり、ケンカをして溝が深まることは、理想の結果ではないということがわかります。

そこまで振り返ったら、「自分の本当に満たしたい感情は、怒りではなく寂しさであり、ケンカをすることでは寂しさは満たされない」ということがわかります。このことに気づくことが非常に重要なのです。

 

5.行動を変える

そして、最後のステップでは、自分の本当に満たしたい感情を満たせる行動に変えていきます。

怒りをぶつけてケンカになっても、結局自分の寂しさは満たせないわけですから。じゃあどんな行動なら満たせるのか?考えて行動を変えていきます。

例えば、

・恋人と直接話をする
・友達と遊ぶ
・趣味に没頭する
・自分を大切にする時間を作る

など、様々な方法が考えられます。色々な行動を試す中で、自分の感情の変化を見つめていきましょう。そうすることで、自分に合った寂しさの解消方法を見つけることができるでしょう。

今回の例では、「寂しさ」という感情を扱いましたが、怒りの裏にある感情は様々です。ご自身でこの5ステップを実践し、自分の隠された想いに気づいていってください。

この5ステップを通じて、自分の感情に気づき、より良い選択をすることができるようになるでしょう。

 

終わりに 隠れた感情を見つめよう

本日は、怒りのメカニズム、怒りに隠れた感情について説明しました。

怒りは、私達の身を守るために生まれるとても大切な感情です。それは、悲しみや寂しさなどの感情を取り除くためにも働きます。

しかし、それは時として、現状を悪化させる結果にもなってしまいます。怒りに身を任せすぎると、カッとなって行動して後悔したり、自己嫌悪に陥ったりすることが増えてしまいます。

そうならないためには、怒りの裏に隠れた感情をしっかり見つめ、その感情が本当に癒えるにはどうすればいいか考え、行動を選ぶ必要があります。

怒りに隠された感情を、怒りで満たすのではなく、あなた自身がしっかり考え、自分の力で癒やしてあげるようにしましょう。

そうすることで、後悔の少ない、より充実した生活を送れるようになりますから。ぜひ本日紹介した5ステップを実践してみてください。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

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