今回のテーマは「大人の愛着障害と恋愛依存」です。
愛着に傷を抱えたまま大人になった方は、恋愛依存になりやすい傾向があります。それがなぜなのか。理由を説明していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
大人の愛着障害と恋愛依存
愛着の傷が恋愛に影響を与えている方
今回はこんな方向けのになっています。
・子供の頃、親からの愛情が不足していたと感じる
・恋人がいないと寂しさや孤独感が強くなる
・愛されてないと自分の存在価値がないように感じる
・恋愛が安定せず、苦労することが多い
このような方は、大人の愛着障害が原因で恋愛依存に陥っているかもしれません。
愛着障害とは
子どもの頃の親との関係は、子供の心の発達に大きく影響します。子供は親との間で愛着を育む中で、自分は他者に愛される存在だという実感を持ちます。この実感を基本的信頼感と言います。
悲しいことに親との愛着形成に失敗すると、この基本的信頼感を持つことが出来ません。そのため、他者に愛される自信がないまま成長してしまいます。
私は他者に愛されない、他者は私を愛してくれないという思い込みが無意識に刻まれるんです。そんな風に胸に刻んでしまうと、そこから先に積極的に友達を作れなかったり、人間関係の構築に苦戦するようになります。
愛着の傷が与える影響
その愛着の傷が癒えないまま大人になると、このような特徴を持つようになります。
・他人を信頼出来ず、素直な自分を出せない
・他人が自分を傷つけてくる気がして怖い
・自分らしい人生を歩めない(心に不足感がある)
・自分自身が空虚に感じる
・空虚さを埋める何かを渇望する
この空虚感が依存をしやすい心の下地を作ることになります。
恋愛に救いを求める
その結果、恋愛に救いを求めるようになります。自分ひとりでは人生を楽しく生きられないから、恋愛で人生を充実しようとする。それは親との間で愛着を作れなかったから、その代わりに恋人の愛を強くを求めるという側面もあります。
だけど、愛着の傷から他者を信頼出来ないため、恋人のことを中々信用出来ず、苦しい恋愛が増えてしまいます。
苦しい恋愛から抜け出せない
恋人に救いを求めるけど、恋人のことを中々信用出来ない…それは次のような苦しみを生みます。
・恋人に愛されてる実感が持てず、すぐ不安になる
・恋人の行動に一喜一憂して、ときめいたり幻滅する
・ジェットコースターのように感情の起伏が強くなる
・素直に甘えられず、恋人に合わせすぎる
・恋人が自分を必要としているかどうかが気になりすぎる
・相手をつなぎとめるためにすがる、怒りをぶつける
・良くない恋人に尽くし、利用される
これらはすべて、愛着の傷により、自分は『愛されない」という思いが根本にあるためです。
これだけ恋愛で苦しめられて、もうこりごりだと思っても、それでも恋愛から抜け出さない。それは自分は一人では生きていけないという根本的な不足感があるからです。
なによりも不足感が辛いから、それを消すために恋愛を求めてしまう。そして、愛着の傷が原因で恋愛依存に陥ってしまいます。
世界が地獄に見えている
基本的信頼感が獲得出来てない方にとって、世界は地獄に見えています。
他者を信頼出来ないまま社会を生きてるから、いつ他者が自分を傷つけてくるかわからない。だからいつも慎重に、他人の機嫌を損ねないように、自分が攻撃されないように生きてしまう。
また、他者が信頼出来ないということは、同時に、自分を信頼出来ないということでもあります。だから自分には能力なんてないと思ってしまう。その結果、色々なものを諦めてしまいます。
自分の生き方を制限し、自由の幅をなくしていってしまう。その結果、人生はどんどん味気ないものになっていく。
「なんで生まれてしまったんだろう。こんな人生なら生きない方がましだ…」そんな風に感じてしまう。そう思ってしまうのもある意味で当然のことです。
そんな地獄からの救済を求めて、人生を輝かせるために恋愛をする。だけどその恋愛も、恋人を信頼出来ない思いからうまくいかない。
それでも恋愛しかないと思うから、どんどん苦しい恋愛に身を投じてしまう。この悪循環が愛着の傷をどんどん深め、ますます恋愛依存を悪化させていくことになります。
悪循環を断ち切るために
今悪循環に陥っている場合、これを続けていても中々人生は好転していきません。では、この悪循環をどうやったら断ち切れるのか。どうすれば恋愛依存から抜け出せるのか。
根本の原因は、愛着の傷により基本的信頼感が獲得出来なかったことです。
基本的信頼感が獲得出来てないから、他者や自分が信頼出来ずに生きづらくなっている。その不足感を埋めるために恋愛するけど、やっぱり基本的信頼感がないから幸せな恋愛が出来ない。
恋愛依存の克服には、基本的信頼感の獲得が鍵を握っているのです。
基本的信頼感の獲得に向けて
ではどうすれば基本的信頼感を獲得できるのか。基本的信頼感は、子供の頃の親との関係の中で育まれていきます。
素直な自分を親という他者に受け入れてもらう中で、他者や自分に対して信頼感を持てるようになっていく。
それが獲得出来てないのだから、今からそれをやる必要があります。今からでも他者との間に信頼感を育んでいくということです。
その相手は親である必要はありません。むしろ親じゃない方がいいケースの方が多いです。
アダルトチルドレンのように、親側に明確に問題がある場合、その親に対して頑張ってもあまり良い効果は得られないからです。愛着の傷を親で満たそうと思うあまり、親になんとか認めてもらいたいと必死で親に働きかけ、余計に苦しむ方も多いです。
ある意味で親に見切りをつけるという作業もすごく大変なものなので、ここで苦労する方も多いです。親以外の特定の他者と信頼し合える関係を作ること。それが基本的信頼感獲得のために必要なことです。
とはいえ、それが出来ないから苦労している!という方も多いと思います。恋人と信頼し合える関係を目指しても、いつもなぜか上手くいかない。
恋愛依存に陥るというのはそういうことだから、そのことはよくわかります。でもそれをしていく必要があります。
愛着の傷と恋愛依存
恋愛依存の原因は、基本的信頼感がないからです。だから恋愛依存の克服には基本的信頼感が必要になります。そして基本的信頼感を得るには、健全な人間関係の構築が必要です。
つまり、愛着に傷があるから人間関係の構築が難しくなる。だけど信頼できる人間関係を構築しないと愛着の傷は治らない。
このメビウスの輪みたいな作りが、治療を困難にしているんです。健全な人間関係が構築できるなら、そもそも恋愛依存になんてなってないよ!って誰もが思うはずだから。
でも、この難しい現状を突破する方法はちゃんとあります。
まず行動から変える
それは、行動から変えていくという方法です。私が行動療法という心理療法を主に用いているのはこれが理由です。
あなたの心は当然のように他人を信頼出来ず、他人を疑います。それは当たり前です。風邪を引けば咳が出るように、愛着に傷があれば他人を疑ってしまう。
だから、心は例え他人を疑ったとしても、それでも人間関係を構築しようとしてみましょう!ってことです。
なぜなら、行動が変われば結果が変わるからです。恋愛依存の悪循環を断ち切るために、まず行動を変えて結果を変えていく。
その結果とは健全な人間関係です。今までとは違う人間関係を作ってみるんです。
すると、その健全な人間関係がやがてあなたの愛着の傷を癒やし、心から人を信頼できるようになります。段々と、あなたの心が世界は地獄じゃないと認識し始める。
これが愛着の傷からくる恋愛依存の克服方法です。どうでしょう?理屈はわかりますか?理屈はわかっても、行動だけ変えるなんて出来ない。そう思ってしまいますよね。そう思うのも当然です。
やれと言われて出来るなら苦労しないから。いきなり積極的に人と話せって言われて出来るはずがないですよね。なのでちゃんとステップがあります。
今回は長くなってきたので、また次回の記事でそのステップについて詳しく説明していこうと思います。
終わりに 地獄を作り出しているのはあなたの心
あなたにとって、世界は地獄に見えている。だから生きづらいのは当然だし、恋愛が安定しないのも当然です。
だけど、世界は本当は地獄ではないんです。同じ空間にいてあなたにとっては地獄、他の人にとっては天国。そんなの変じゃないですか。
地獄に見えてるあなたと、天国に見えてる他の人。それを分けてるのは何かというと、心なんです。世界を地獄に見せているのはあなたの心です。
だけど、世界は地獄じゃないって言ったところで、あなたの無意識に根付いた心は信じません。無意識は経験によって蓄積されていきます。
地獄ではないという経験の蓄積があなたの無意識を変えていきます。そのために、あなたの行動を変え、人間関係の形を変えていく必要があります。
その新しい人間関係の形が、世界が地獄だというあなたの無意識を変えて、世界を生きやすくしてくれます。
そのステップは次回説明していきますが、そのステップはあなた自身の足で歩んでいかなければならないものです。あなたの心を救えるのはあなたの行動だけです。
ぜひ、あなたが生きやすい心を作り出していきましょう
では、本日の内容は以上です。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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