コラム(恋愛依存について)

愛着トラウマとは?〜大人になった今も苦しむ、子どもの頃の親との関係〜

今回のテーマは、『愛着トラウマ』についてです。

私たちの心は、過去の経験から作られています。特に幼少期の親など大切な人との関係は、私たちの考えや行動に大きな影響を与えます。

その過去の経験が辛いものだった場合、特に愛着に関するトラウマは、見えない傷となって私たちの心を長期間苦しめることになります。それが大人になってからの生きづらさに繋がるのです。

例えば、あなたはこのような悩みを持っていませんか?

・人間関係で不安を感じやすい
・自分が全然ダメに感じて責めてしまう
・いつも「嫌われるかもしれない」と心配になる
・恋愛で相手に依存しすぎてしまう

このようなお悩みを持っている方は、もしかしたら子供の頃の親との関係により、愛着トラウマを抱えてしまっているからかもしれません。

今回は、愛着トラウマとは何か、どんな親との関係が愛着トラウマを生み出すのか、そしてそれが大人の心にどのように影響するのか、を説明します。

あなたの生きづらさの原因、ヒントが得られると思います。ぜひ最後までご覧ください。

愛着トラウマとは

愛着トラウマとは、その名の通り「愛着に関するトラウマ」です。これを理解するには、『愛着』と『トラウマ』のそれぞれの言葉の意味を理解する必要があります。

愛着とは

愛着とは、他者との心の絆、信頼関係のことです。最初に愛着を形成するのは、通常は自分の親に対してです。親との間に愛着が形成できた場合、子どもは他者との関係に安心感を持てます。それが、その後の人間関係を育む基盤になっていくのです。

トラウマとは

トラウマとは、精神的な傷を指します。これは、強いストレスやショックを伴う経験によって引き起こされます。トラウマは、心や体に長期的な影響を及ぼし、感情や行動に悪影響を与えることがあります。

愛着トラウマとは

この2つの意味から、愛着トラウマとは、幼少期の親との関係で生まれる精神的な傷のことです。親や家庭に対して、安心感や信頼感が持てず、傷を抱えてしまった状態を指します。

これは1つの強いショック体験があったというよりは、日常的な経験や親との関係性の中で生まれる小さな傷や影響の積み重ねです。例えば、親が子どもに無関心な状態などが長期間にわたって続くことによって心に傷が残ります。

愛着トラウマを生み出す親との関係はいくつかのパターンがあります。ここでは4つ紹介します。

愛着トラウマを生み出す親との関係性

1.無関心・ネグレクト

愛着を形成するには、「自分が働きかければ親が応えてくれる」という経験が必要です。しかし、親が忙しかったり、子どもに関心を持たなかった場合、子どもはその経験が得られません。

その結果、子どもは「私は愛されない存在だ」という思い込みを持ちます。そして、自分自身や親・家庭を信頼できず深いトラウマを抱えてしまうのです。

2.過干渉・支配的

親が子どもの気持ちや意見を聞かず、親の価値観を一方的に押し付ける。さらに親の思った通りにいかないと子どもを叱りつける。そういったことを繰り返すと、子どもは「親の言う通りにしないと愛されない」という思い込みを持つようになります。

自分らしくしていては愛されない、親の期待に答え続けなければ愛されない。こういった体験の積み重ねは、対人関係に強い不安感を生み出すトラウマとなります。

そのトラウマが影響し、「自分らしさ」を失っていくことになります。

3.親の感情が不安定

親の感情が不安定で、起こったり泣いたりと情緒が不安定だったり。両親が不仲で喧嘩が絶えなかったりするとと、子供は常に親の顔色を伺い、ビクビクしながら過ごすことになります。

親の機嫌を取るために無理をして良い子を演じたり、親の機嫌を損なわないように自分を押し殺したり、親に合わせて尽くしたり……。

こういった体験が積み重なると、「自分よりも親を優先しなければならない」という思い込みが生まれます。その結果、自分の感情を抑圧する傾向が強まります。

また、「いつ怒られるかわからない」という環境は、対人関係に強い不安感を生み出すトラウマとなります。

4.親の死別・離別

幼少期に親が亡くなる、施設に預けられるなど、親と離別する経験も愛着に深いトラウマを作ります。このような体験は、子供に強い喪失感と孤独感を与えます。

そして、「自分は誰からも愛されない」、「大切な人はどうせ去ってしまう」という思い込みを持つことになります。

子供の心の成長には、安心できる親や環境が必要不可欠です。それを失ってしまうことで、心が不安定になり、心の成長も妨げられることになります。

愛着トラウマが大人の心に与える影響

子どもの頃に受けた愛着トラウマは、大人になったあなたの心と体に、様々な形で影響を及ぼします。それはまるで、幼い頃に負った傷跡が時折痛み出すように……あなたの心や行動に大きな影響を与えることになるのです。

愛着トラウマは実に様々な悪影響を及ぼすのですが、ここでは代表的なものを5つ紹介します。

1.自己肯定感が低くなる

愛着トラウマを持つ方は、自分に対する信頼感や自己肯定感が低い傾向があります。

「自分には愛される価値がない」、「自分らしく生きてはいけない」そんな思い込みが強いため、苦しむことが多くなります。

例えば、
・自分の意見を言わず相手に合わせる
・自分のやることに「間違ってないかな」と強い不安を感じる
・自分を責める傾向が強くなる
・過剰に自分磨きをして自分を追い込んでしまう

こういった特徴は、自己肯定感の低さから生まれます。

2.対人関係が不安定

愛着トラウマを持つ人は、対人関係が不安定になりやすく、対人関係で苦しむことが多くなります。

例えば、
・「嫌われるかもしれない」と不安を強く感じる。
・「特別に扱ってほしい」と過剰に期待し、失望感を感じる。
・「私は愛される資格はない」と親密な関係になるのを避ける。

このように、対人関係が安定せず苦しむことが多いです。

3.感情が不安定

愛着トラウマを持つ方は、感情が不安定な傾向があり、自分でも制御できない感情に襲われることが多くなります。

例えば、
・突然強い悲しみや孤独感に襲われる
・急に強い怒りが湧いて相手を強く批判する
・衝動的な行動が多くなる(買い物、食べ過ぎなど)

これは自分を苦しめるだけでなく、対人関係をますます不安定なものにしてしまう原因にもなります。

4.恋愛で苦しむことが多い

愛着トラウマは、恋愛関係にも大きな影響を与えます。親との愛着が形成できなかったことで、恋人との適切な距離感を取ることが難しくなることが大きな原因となります。

例えば、
・恋人に依存しすぎる
・恋人に理想の親を重ね、過剰な期待を抱く
・恋人を信頼できず、不安を強める
・恋人と親密になるのを恐れ、関係を終わらせる

このように様々なパターンがありますが、恋愛で苦しむことが多いです。

5.心の病の原因となる

愛着トラウマを持つ方は、うつ病や不安障害などの心の病になりやすいという調査結果があります。そのため、うつ病などの表に現れる病気だけを治療しても、なかなか状態が改善しないことが多いです。

根本の原因である愛着トラウマにアプローチしなければ、病にかかりやすいという心の体質は変わらないからです。

健康的な心を育てるためにも、愛着トラウマの克服は必要不可欠です。今回の説明を聞いて、「自分に当てはまるな…」と感じた方は、ぜひ一緒に愛着トラウマの克服に取り組んでいきましょう!

ワーク:愛着トラウマの影響をチェックしよう

今後、このチャンネルでは愛着トラウマの克服に向けた情報をお届けしていきます。あなたにはぜひ、動画を見ただけで終わらせずに、動画内で紹介するワークをやってもらいたいなと思います。

今回のワークは、「愛着トラウマの影響をチェックしよう」です。

今回の動画内で説明した愛着トラウマが与える影響について、あなたに当てはまるものをチェックしてみてください。そしてそれが、日常のどのシーンで影響を与えているか具体的に振り返ってみることが大切です。

ワークの例

例えば、「私は自己肯定感が低いのが当てはまるな」とチェックしたとします。ではそれが、日常の中でどう影響を与えているか振り返ってみます。

仕事:仕事のミスに過剰に反応して落ち込んでしまう
対人関係:「私と話してもつまらないだろう」と思い込み、会話に参加しない
といった感じです。

ワークの注意事項

無理に変える必要はありません。ただ愛着トラウマの影響に気づくだけで良いです。そしてできれば、気付いたことを日記などにまとめるのがおすすめです。

それだけでも、「なんとなく生きづらい状態」から、「愛着トラウマの影響でこうなってるんだな……」と自分への理解が深まり、自分に優しくなれるでしょう。

ぜひ、日常の中で愛着トラウマの影響にたくさん気づいてください。

終わりに あなたらしい人生への一歩を

今回は、愛着トラウマとは何か、どんな親との関係が愛着トラウマを生み出すのか、そしてそれが大人の心にどのように影響するのかについて説明しました。

いかがでしょうか?あなたの持つ生きづらさの原因が見つかったでしょうか?

愛着トラウマは、私達の心に深い影響を与えます。あなたが育った環境が原因で、あなたは愛着トラウマを持ってしまった。生きづらいのはあなたのせいではないのです。

どうか自分を責めずに、これから少しずつ愛着トラウマを克服していきましょう。私もカウンセラーとして、あなたと一緒に克服への道のりを歩いていきたいと思っています。

諦めずに、克服への道のりを1歩ずつ歩んでいきましょう。その先には必ず、あなたらしい充実した人生が待っています。

あなたが愛着トラウマを克服して、あなたらしい人生を歩めることを、心から願っています。

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