恋愛依存について(コラム)

共依存とは~自分らしさを失う病~

今回のテーマは、「共依存について」です。

共依存は恋愛や家族関係で、苦しい関係だと感じながらもそこから抜けられなくなるとても恐ろしい状態です。

自分を犠牲にして相手との関係を最優先するため、「自分らしさを失う病」とも言われています。

今あなたが、恋人関係や親子関係、人間関係において、苦しいんだけど自分から抜けられない…と感じているなら、もしかしたらあなたに共依存の特徴があるからかもしれません。

今回は、「共依存とはなにか」、「共依存にはどんな特徴があるか」について説明します。ぜひ最後までご覧ください。

 

動画で見たい方はこちらからご覧ください。


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共依存とは

最初に、共依存の定義について説明します。

依存症には様々な種類がありますが、共依存は「人間関係への依存」と言われています。その関係がどれだけ苦しくても抜け出せなくなる依存ですね。

と言っても、実は共依存には明確な定義は存在しません。アルコール依存症などの依存症は世界保健機構(WHO)が診断基準を出しているんですが、共依存には明確な基準がなく、研究者によって様々に解釈されている状態です。

なので病気として診断されるものではありません。これはまずしっかり理解しておいてください。タイトルに『病』と付いてるので紛らわしいですが、今のところ正式な病気ではないということですね。

私は、特殊な人間関係を築きやすくなるその人の特徴って感じで説明しています。ただし、これは変えられる特徴です。これから説明する共依存の特徴があなたに当てはまっていたとしても、これから変えていけるということは忘れないでくださいね。

 

アルコール依存症の夫を支える妻

共依存の細かい説明をする前に、共依存が見つかったきっかけについてお話させてください。

共依存が見つかったのは、今から50年くらい前の1970年代です。その当時アルコール依存症患者が問題になっていました。

アルコール依存症はわかりますよね?お酒を飲むことを止められない病気のことです。

そのアルコール依存症患者を調べていく内に、患者を支える家族についても目が向けられるようになりました。

アルコール依存症は悪化していくと、仕事や家事が満足に出来なくなります。仕事が出来なければ当然お金がなくなります。家事が出来なくなれば食事も満足に出来なくなる。つまり普通に生きていけなくなるはずなんです。

しかし実際にはアルコール依存症患者は生きて生活出来ています。それはなぜかというと、それを支える家族がいるからです。

アルコール依存症は男性に多いのですが、アルコール依存症の夫を文句を言いながらも支え続ける妻の存在があるのです。妻が夫に文句を言いながらもお酒代を渡し、身の回りの世話をしている。一体なぜこの女性は逃げ出さずに支え続けるのか?

このアルコール依存症の夫を支える妻を研究していった結果、共依存という特徴が見つかりました。

奥さんも旦那さんとの関係に依存していたのです。だから『"共"依存』です。そして、共依存は旦那さんのアルコール依存を悪化させる原因にもなっており、お互いをより深く苦しい依存の沼に引き込んでいることがわかってきました。

なので、アルコール依存症の夫だけを治療してもあまり効果が出ずに、共依存の妻と両方を治療することで治療効果が出たんですね。

そこでようやく、共依存はアルコール依存と同様に治療していかなければならない。という風に社会に認知されていったのです。

その後、共依存はアルコール依存症の夫だけでなく、ギャンブル依存症とかDV、浮気など様々な問題のある人を支える存在として広く研究されていくようになりました。

 

共依存の特徴

では、共依存にはどんな特徴があるのかを説明していきます。

どんな特徴が夫のアルコール依存を支え、お互いの関係をより苦しめることになっていったのか。もちろんアルコール依存だけに限りません。

ただし先ほども言った通り、共依存は研究者によって様々に解釈されています。今回説明する私の解釈はあくまでそのうちの1つだということは理解しておいてください。

私が学んだ内容と、私自身がカウンセリングでクライアントに触れていく中で身をもって理解していった特徴です。

特徴は大きく10個あります。これから1つずつ説明しますが、すべて当てはまっている必要はありません。2つ以上当てはまるなら共依存的な特徴を持っていると言えるでしょう。ぜひ自分はどうかをチェックしてみてください。

 

①自らを犠牲にして相手を助けたがる

アルコール依存症の話でわかってもらえたと思いますが、共依存の大きな特徴は、『問題を抱えている相手を支え続けること』です。

金銭や身の回りのお世話など、自分を苦しめることになっても支え続けてしまう。そうしなければ強い罪悪感を感じてしまう。支えることが使命だと思ってしまう。だから突き放そうとしても突き放すことがどうしても出来ません。

これは一見するとすごく優しい特徴のように見えます。しかしアルコール依存症の夫を支え続けた結果、アルコール依存症をますます悪化させてしまうという負の特長でもあります。

決意を持って本気で相手を止める、相手と決別する。といったことを決断することが出来ません。

その結果、ズルズルと関係を延長させてしまい、お互いをより苦しめることになってしまいます。

 

②相手の行動や考えを変えたがる

相手をコントロールしたがるのも共依存の大きな特徴です。子供との共依存であれば、子供を自由にさせず厳しい教育やしつけ、「こう生きるべき」といった考えやアドバイスを押し付けやすい傾向があります。

もちろんこれは善意で、そうしたほうが幸せになれるからと本気で思っての行動です。

恋愛関係でも、怒ったりすがったりなだめたりして、なんとか自分の手元に恋人を留めておこうとする傾向が強くなります。

これは『相手は自分の延長である』という考えが強いためです。他人のコントロールは不可能なのですが、それをやりたい、しなければならないという思いが強くなります。

しかしそれが出来ずに、強いストレスを感じ、自分も相手も苦しめることになってしまいます。

 

③問題がある人に惹かれやすい

普通の人よりも問題のある人に惹かれやすいという特徴があります。

これは、『相手を助けたがる』という特徴に関連します。普通の人では助けることがないので、不安定で問題のある人を求めてしまうのです。

『自分を必要とされたい』という思いが強いためとも言えます。精神的に安定した人よりも、問題ある人の方が助けやすく、自分を必要としてくれる。

問題のある人と付き合って、自分を犠牲にしてボロボロになって、次こそは安定した人と付き合いたい!と願っていても、結局そういう人には魅力を感じず、問題のある人に惹かれてしまいます。

 

④見捨てられ不安が強い

一人で過ごすことが苦手で、相手を必要としやすい傾向があります。そのため、他者から見捨てれられることに対して過剰に不安がることになります。

これは、仕事をしているかどうかは関係ありません。仕事もしているしちゃんと一人で生きているのに、なぜか一人で生きていく自信が持てず、見捨てられないかビクビクする。そんな特徴があります。

 

⑤世界が狭くなっている

共依存は自分と相手という特定の関係の中に生まれる依存です。そうなると、それ以外の他者への関心が薄くなります。

例えば交友関係が狭くなったり、仕事や趣味への関心が薄くなったり、相手のこと以外への関心が薄れていく傾向が強くなります。

自分と相手二人だけの狭い世界で生きることになります。

 

⑥自分の意見が言えない

共依存の方は、自分の意見をはっきり言えない傾向が強いです。

「私はこう思う」、「私はこうする」が言えず、「相手が~してくれたら」が多くなります。

自分の意見を言わないことに慣れすぎていて、そもそも自分の意見に自分自身で気付けなくなっている方も多いです。

自分がどうしたいかが自分でもわからない。まさに『自分らしさを失った』状態です。

 

⑦自分を責めやすい

共依存の方は、相手の問題を自分が悪いからだと自分を責める傾向があります。

例えば、「自分が努力すれば相手が変わってくれるはず」と考え、相手が変わるために努力を重ねがちになります。

相手に「お前が悪い」と責められると、罪悪感を感じて「やっぱり私が悪い」という風に考えます。

本来、相手の問題なので相手が悪いに決まっているのに、そう思えずに自分を責めてしまうのです。

 

⑧幸せが相手次第になる

問題のある人に惹かれた結果、その問題で自分も苦しむことになります。その結果、「相手が変わってくれれば私は幸せになる」という思いに縛られることになります。

しかし当然相手は変わらずますます苦しむことになります。そして「私はなんて不幸なんだ。変わらないあの人が悪い」という考えが強くなります。

そもそもを考えれば、そんな問題のある人に近づいたのは自分なのです。だから本当は、『自分の相手選びの問題』と、『自分の相手との接し方の問題』です。つまり『自分で自分を幸せにする決断』が本当は出来るんです。

しかしそのことに気付かず、「相手が変わってくれれば幸せになれる…」という思いに縛られることになります。

 

⑨他者を恐れる

共依存の方は、他者を中々信頼出来ず、怖がる傾向が強いです。特に自分を評価したり、批判する立場の人(上司とか地位のある人)を怖がる傾向が強いです。

これは傷付けられたくないという思いが特に強いためです。

もしかしたら子供の頃に、親のしつけや批判が強すぎて、その時の恐怖感情が心に根付いているからかもしれません。

 

⑩自分に自信がない

共依存の方の多くは、自分に自信がなく自分が好きになれない傾向があります。

それは、自分とは何かとか、自分はどうしたら幸せになれるのか、といったことが見えてないことが背景にあります。自分軸がなく、自己肯定感が低いということですね。

そのため、それを埋めるために誰かとの関係に依存することになり、その誰かに見捨てられる不安が強くなるのです。自分の幸せが相手次第になるのも当然でしょう。

つまり、この『自分に自信がない』という特徴は、ここまで説明してきた9個の特徴の根っこの部分になっているとも言えます。

なので、自分軸を作っていくことが、共依存から抜け出すための鍵になってきます。

 

以上の10個が共依存の特徴です。どうでしょう?あなたに当てはまるものはあったでしょうか?

 

共依存になった原因

次は、なぜ共依存になってしまうのか。原因について説明します。

共依存になる最も大きい原因は、子供の頃に機能不全家族で育ったことです。

機能不全家族とは簡単に言うと、『親が親の役割をしていない家族』のことです。

例えば、親の虐待、親同士が喧嘩ばかりで子供の面倒を見ない、親自身が共依存で子供を束縛したり子供に甘える。などです。

親がアルコール依存症の場合、子供もアルコール依存症になりやすいという調査報告があるのですが、共依存もまた親から子、子から孫へと受け継がれやすいのです。

ちなみに、機能不全家族に育てられた人を『アダルトチルドレン』と呼ぶので、アダルトチルドレンと共依存は非常に関係の深いものです。

これについては、また別の動画で説明したいと思います。

機能不全家族に育てられると、子供は子供らしくいられなくなり、本当の自分を隠して生きざるを得なくなります。

本当の自分を殺して、親に従ったり、親の面倒を見たり。そんな生き方をしていたら当然『自分らしさ』など育つはずがありません。

『自分らしさ』つまり『自分軸』です。自分軸を育てるチャンスをもらえなかったことで、自己肯定感が低く、自分を好きになれず自分に自信を持てない。

その空虚さを埋め合わせるため、誰かとの関係に依存していく。それが共依存です。

 

共依存と恋愛依存

共依存について説明していると、恐らく「恋愛依存」と何が違うの?と疑問に思った方も多いと思います。

それはそのとおりです。

恋愛依存には大きく4つのタイプがあると言われていて、それが共依存、回避依存、ロマンス依存、性依存です。

つまり、共依存的な恋愛依存というタイプがあるということです。

4つタイプがありますが、私の恋愛依存克服プログラムに参加される方の9割は共依存タイプです。それだけ共依存的な恋愛依存で悩んでいる方が多いということですね。

なお、共依存は恋愛以外でもありえるので、例えば親子関係の共依存ということもあります。

共依存はあらゆる関係に起こりえますが、それが恋人関係の場合は、共依存的な恋愛依存と呼ぶということですね。

ちょっとややこしい言い方になりましたが、別に2つを区別する必要はありません。共依存の特徴10個の内いくつかが当てはまっているなら、あなたは共依存的な恋愛依存で苦しんでいるということになります。

 

終わりに 共依存は変えられる!

共依存の説明については以上となります。

共依存は問題のある相手をなんとか救おうとして、お互いに身も心もボロボロになってしまう本当に苦しいものです。

この動画を見ているあなたも、そんな自分の特徴に苦しんでいるから、なんとかしたくてこの動画を見ているんだと思います。

その気持は私も本当に痛いほどわかります。

だけど決して自分を責めないでください。あなたが共依存になったのには理由があり、それは別にあなたが悪かったからなったのではないということです。

共依存になったのは本当に不幸な偶然で、あなたにどうすることも出来ない問題でした。だからそのことで自分を責めないでください。

ただし、今の状態を抜け出すのはあなた自身の力です。

さっきも言いましたが、共依存の特徴はこれから変えていく事ができます。

それは誰かにやってもらうのではなく、あなた自身が変えていくのです。

もちろん、日本にはカウンセリングや自助グループなど支えになるものがたくさんあります。私の恋愛依存克服プログラムもその1つです。

そういった支えを上手く使って、あなた自身の力であなたを変えていき、あなたを幸せに導いてあげてください。

必ず出来ます。あなたを幸せにするものは、依存ではなくあなたの中にある力です。

そのことを忘れず、共依存ではなく、本当のあなた自身の力を育てていってください。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

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