恋愛依存について(コラム)

自己肯定感を下げる危険な行動〜なぜ自己肯定感が上がらないのか〜

今回のテーマは「自己肯定感を下げる危険な行動」です。

自己肯定感が低いと悩んでいる方で、自己肯定感を高めたいと考えている方は非常に多いです。そして、自己肯定感を高めるために日々色々と頑張っているけど、中々変われない…と悩んでいる。

それは、自己肯定感を高めたいと思ってやってる行動が、逆に自己肯定感を下げてしまっているのかもしれません。

今回は、自己肯定感が下がってしまう危険な行動について説明します。ぜひ最後までご覧ください。

 

動画で見たい方はこちらからご覧ください。

自己肯定感を下げる危険な行動

自己肯定感とは

最初に自己肯定感とは何かを説明します。これを理解しておかないと、自己肯定感を高めるとはどういうことなのかがわからないからです。
(このシリーズの記事をご覧になっている方でしたら、何度も聞いていてしつこいと感じているかもしれませんが…)

自己肯定感とは、「自分という存在に対する肯定的な態度」のことです。自分は自分のままこの世の中に存在していいんだ。という存在レベルの肯定です。存在レベルの肯定感なので、能力は関係ありません。

これが今回一番のポイントです。この部分を理解しておいてもらえれば、この後の説明がスッと入ってくると思います。

 

自己肯定感を下げてしまう危険な行動

それでは、自己肯定感を下げてしまう危険な行動を説明します。それはこれらの行動です。

①自分の能力を高めようとする
②自分の出来たことを褒める
③他者よりも優れようとする
④他者の承認を求める
⑤恋人の愛を求める

以上の5つです。「え、なんでこれがダメなの?」と感じる方も多いかもしれません。もちろんこれらが悪いことだと言ってるわけではありません。ただ、自己肯定感を高めるためにこれらをやるのは逆効果だということです。

それぞれ1つずつ理由を説明していきます。

 

①自分の能力を高めようとする

例えば容姿を良くする自分磨き、年収を高めるために仕事を頑張る、起業する。そういったものが当てはまります。これは「自己肯定感を高める行動」としてよく紹介されているものです。なのでやっている人も多いと思います。

確かに、出来ることが増えていくことはとても重要なことです。仕事や家事、趣味など今まで出来なかったことが出来ていく。それは人間の成長に繋がります。

しかし最初に説明した通り、自己肯定感に能力は関係ありません。能力に対する感覚は『自己効力感』と呼ばれるまた別の感覚です。なので能力を高めることで自己肯定感は高まらないのです。

むしろ、自分の価値を『能力のある/なし』に頼ることは非常に危険です。『出来る自分は良い自分、出来ない自分は悪い自分』という評価に繋がり、『出来ない自分』への自己否定が強まります。

「もっと出来る自分にならないと」と今の自分を否定し続けることになってしまいます。そしてこれにはキリがありません…

自己否定は自己肯定の反対ですから、今の自分への否定が強まるほどに自己肯定感が下がるのは当然とも言えます。

 

②自分の出来たことを褒める

これも自己肯定感を高める方法としてよく紹介されています。確かに自分を褒めることはとても大切なことです。しかし、「出来たことだけを褒める」というのは自己肯定感に悪影響を与えやすいです。

①で説明した『出来る自分は良い自分、出来ない自分は悪い自分』という評価を行うのが、まさに『出来たことを褒める行動』だからです。

出来たことがあれば確かに嬉しいし自信が付いた気がします。しかし逆に1つでも出来ないことがあると、「出来ない自分はダメだ…」という強い自己否定に襲われます。これではジェットコースターのように、自分への評価が激しく上がったり下がったりするだけです。

自己肯定感とは「自分は自分のままで存在して良い」という感覚ですから、「出来たから良い」というものではありません。むしろ「出来なくても良い」という感覚のほうが大切なのです。「何が出来ても、出来なくても自分は存在して良い」という感覚が自己肯定感なのですから。

なので、自己肯定感を高めるためには、『出来たことを褒める』よりも『出来ない自分を許す』ことが重要になります。

 

③他者よりも優れようとする

容姿や仕事、ステータスを他者と比較し、「あの人より優れている」と感じることで自己肯定感を高めようとする行動です。

確かに他者との比較は自分の成長の役に立つことは多いです。しかし、自己肯定感をという意味ではあまり役に立ちません。

他者との比較で自分の価値を見出そうとするということは、「他者より優れている自分は生きる価値がある」という意味になります。それは自分の存在そのものを肯定したことにはなりませんよね。

他者より優れているときは達成感や満足感が得られますが、逆に自分より優れた人を目の当たりにすると、激しい不安や恐怖、怒りが湧き上がることになります。やはり感情がジェットコースターのように激しく動くことになります。

自己肯定感の高い人というのは、他者と自分を比較しなくても、「自分は自分のままで生きていい」と思えています。比較の中で存在を肯定したりしません。だから感情が安定しているのです。

 

④他者の承認を求める

他者に褒められる、認められることで自己肯定感を高めようとする行動です。自分に自信が持てないから、誰かに認められることで自信を持とうとするということですね。

誰かに認められたとき、確かに安心感や満足感が得られます。しかし同時に「常に誰かに認められないと自分には価値がない」という不安や恐怖がつきまといます。

その結果、自分を犠牲にして他者に合わせたり、尽くしたりすることになります。他者に合わせすぎると自分を見失い、自分らしい生き方がわからなくなり、自己肯定感も下がってしまいます。

 

⑤恋人の愛を求める

他者の承認の中でも、特に恋人の愛を求めることです。「誰かに愛されている自分には価値がある」ということですね。

これは恋愛依存に繋がる非常に危険な行動です。「誰かに愛されない自分には価値がない」という不安や恐怖から、恋人に依存しすぎてしまうためです。

その結果、恋人に尽くしすぎたり、束縛しすぎたり、複数の異性と関係を持ったりと、苦しい恋愛に身を投じてしまいます。自分も恋人も苦しめてしまうことになります。

恋人がいないと生きられない自分に対して自己嫌悪が強くなり、ますます自己否定が強くなってしまうこともあります。

 

自分の一部分だけを肯定している

以上、自己肯定感を下げてしまう危険な行動について説明しました。あなたが普段やっていて当てはまるものはあったでしょうか?

これらに共通していることは、「自分の一部分だけを肯定している」ということです。

・能力を高める→能力のない自分はダメ
・出来たことを褒める→出来てない自分はダメ
・他者より優れる→他者より劣っている自分はダメ
・他者に認められる→認められてない自分はダメ

このように、自分の一部分だけの肯定は、それ以外の部分の否定になります。さらに、『今出来ている部分』を失うことへの不安も強くなります。

今出来ているけど、出来なくなったらどうしよう…。今は他者に認められているけど、認められなくなったらどうしよう…。そんな不安に悩まされることになるのです。

だからどこまでいっても自己肯定感は高まらないし、気分が安定しないのです。

 

存在そのものの肯定

最初に説明した通り、自己肯定というのは『自分という存在そのものの肯定』です。「自分はありのままでこの世の中に存在しても良いんだ」という存在に対する肯定なのです。

一部分だけ肯定して、残りの部分は否定する。というのでは、存在そのものの肯定にはなりませんよね。だから先ほど説明したやり方では上手くいかないのです。

自分をまるっと見つめて、受け入れていく。そういったことが必要になります。出来ることも出来ないことも、それが自分だと受け入れていく。そしてそのままの自分で社会の中で生きていく。

そうすることで、今の自分のまま存在しても良いという本当の意味での自己肯定感が育っていきます。

 

終わりに 自分として生きていく

今回は、自己肯定感を高めるための行動が、逆に自己肯定感を下げてしまうというお話をしました。

能力を高めたり、他者に認められることで自分の価値を感じようとする。それは結局、『出来た自分』、『認められた自分』という自分の一部分だけの肯定であり、存在そのものの肯定にはなりません。

だから一瞬だけ自分の価値を感じても、それが長続きしないのです。

本当の意味で自己肯定感を高めたいなら、自分自身をまるっと見つめて受け入れていく必要があります。

それはこの世の中を、自分として生きていくということです。あなたが、自分に出来ることも出来ないことも、それが自分だと受け入れ、自分としてこの世の中を生きていこうと思えたなら、自己肯定感も自然に高まっていきます。

まずは今の自分を、否定せずにありのまま見つめてみてください。あなたの存在そのものを見つめてください。命の価値は、何が出来るかどうかではありません。自分自身の命そのものの価値を見つめて、そして自分としてこの世界を生きていってください。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

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