恋愛依存について(コラム)

恋愛を苦しめる完璧主義〜完璧を手放し、穏やかな恋愛を取り戻す方法〜

今回のテーマは『恋愛を苦しめる完璧主義』です。

私も恋愛依存克服カウンセリングを長く続けていますが、私のところに相談に来る方で『完璧主義』の方は非常に多いと感じます。

それが一体なぜなのか?なぜ完璧主義の方は恋愛に苦しんでしまうのか?そしてどうすれば完璧主義を緩めることができるのか?を説明します。

私には完璧主義の傾向があるなと感じている方はぜひ最後までご覧ください。

動画で見たい方はこちらからご覧ください。

恋愛を苦しめる完璧主義

完璧主義の特徴

最初に、『完璧主義』とはどういうものか特徴を説明します。完璧主義は、その名の通り完璧を目指すことに固執する性格傾向です。成功意欲が強く、「常にもっと上」を目指す特徴があります。

一方で自分や他者に対して非常に高いハードルを設定し、そのハードルを超えられなければ自分も他者も激しく責めてしまう特徴があります。自己否定が強いので自己肯定感は低い傾向があります。さらに他者のミスも許せないため、コミュニケーションでトラブルを抱えやすい、といった特徴もあります。

以前説明した認知のゆがみの『白黒思考』、『すべき思考』と大きく関係します。(認知のゆがみについてはこちら

 

向上心よりも恐れから完璧を求める

完璧主義の方は常に『もっと上』を目指すので、他の方からは、「向上心があってすごい」と思われやすいです。実際、向上心が強いという側面も確かにあります。しかし実際は、向上心よりも「失敗したら自分の価値がなくなってしまう」という恐怖や不安が強い傾向があります。

「上手くなりたいからやる」、というよりも「価値のない自分になるのが怖いからやる」のです。恐怖や不安に追い立てられて行動する。だからどれだけ成功しても中々心が休まることがありません。1つ成功しても、次の何かに失敗したらやっぱり「自分には価値がない」と感じ、自分を責めるからです。

 

完璧主義の恋愛での特徴

完璧主義の方は、恋愛で苦しむことが多いです。ここでは完璧主義の方が陥りやすい恋愛の特徴を紹介します。自分にはどれが当てはまるだろう?と自分に照らし合わせながら説明をご覧ください。すべてではなく一部だけ当てはまる方も多いです。

1.理想の相手を求めすぎる

完璧主義の方は、パートナー選びでも理想を追い求めがちです。なので例えば婚活をしていても、「中々良い人に出会えない…」という悩みを持ちやすくなります。

恋人の価値が自分の価値という風に考えやすいので、他者の恋人と自分の恋人のレベルを比較し、自分の恋人はもっとレベルが高くないとダメだ。といった考えを持ちやすくなります。

 

2.期待と失望でイライラする

今度こそ理想のパートナーに出会えた!と思って付き合ったとしても、その期待を裏切られて強い失望感、不満、怒りを感じることになります。恋人に完璧を求めすぎるので、そもそもの期待値が高すぎるのです。

だから恋人のあらゆるところが不足しているように感じます。例えば、優しくない、しっかりしてない、気が利かない、見た目がいまいち、仕事が出来ない、家事が出来ない…そんな風にイライラが溜まることになってしまうのです。その結果、恋人と喧嘩が増えたり関係が悪化し、別れることも多くなります。

 

3.弱みを見せられない

自分自身が完璧であることを目指すため、恋人に中々弱みを見せることが出来ません。これは恋人以外に対してもそうなのですが、常に輝いている自分を見せたいのです。これは、「輝いている自分でなければ、誰も相手をしてくれない」という不安の裏返しでもあります。

なので恋愛に対しても無理をしがちになります。過剰に相手の世話をするとか、常に着飾って美しい姿を見せるとか、恋人に弱音を吐かないとか。そうやって無理をすればするほど、恋愛そのものが重荷となり、恋愛するほどに心が疲弊することになります。

 

4.恋愛依存に陥りやすい

実は完璧主義の方は恋愛依存に陥りやすい傾向があります。完璧主義の方は、「価値のない自分になるのが怖い」という不安、恐怖感を抱えています。それを埋めるものとして恋愛に依存しやすくなるのです。

さらに自分の価値を恋人に依存しやすいため、恋人から離れられなくなります。「恋人と別れたら自分の価値がなくなってしまう…」という恐怖感が強くなるからです。そのため、より完璧な自分を演じて恋人の関心を引こうとしがちになります。

 

完璧主義になった原因

様々な苦しみを生んでしまう完璧主義ですが、では一体なぜ完璧主義になってしまうのか?ここでは大きな原因を3つ説明します。

 

1.家庭の教育方針

一番大きな原因は、家庭の教育方針です。親自身が子供に完璧を求めたケースですね。この場合は、親がそもそも完璧主義である可能性が高いです。親の完璧主義を子供に押し付けたということですね。

学校の成績や習い事、部活、生活態度など、よく出来たときだけ褒めて、上手くいかないと否定的な態度を取る。そういう中で育つと、「完璧でないと愛されない」と思い込むのは無理もありません。

誰かに愛されるためには、完璧を目指すしかなかったのです。

 

2.親が無関心

家庭の問題は教育方針だけではありません。逆に親が子供に無関心だった場合も、子供は完璧主義になる可能性があります。

例えば、両親が不仲でケンカばかりしていて子供を構う暇がなかったり、仕事で忙しくて留守がちだったり、兄弟の上の子ばかりを可愛がって下の子を放っておいたり。

そうやって放っておかれた子は親が悪いとは考えられず、「親が構ってくれないのは自分に問題があるせいだ」と考えます。その結果、その問題を取り除くために完璧を目指そうとします。

 

3.他者との比較

完璧を目指す原因としてもう1つ大きいのが、「他者との比較のしすぎ」です。これは昨今のSNSの流行りによって非常に大きくなっていると感じています。

XとかインスタグラムとかYoutubeとかTikTokとか。今やほとんどの人がなにかしらのSNSに触れて生きていますよね。(まぁ、私もYoutubeで喋っているので何か言える立場ではないのですが…)

このSNSによって、私たちは他人の生活を覗き見しやすくなりました。その結果、不特定多数の人と自分を比較することが出来るようになっています。SNSが普及する前は、他所の誰が何をやっていようと、それを知るすべがありませんでした。だけど今は、SNSをちょっと開くだけで誰が何をしているのかがわかってしまいます。

年収1千万突破しました!とか、フォロワー1万人いきました!とか、イケメンの彼氏が出来ました!とか。全然知らない誰かのすごい成果を見ては、「あぁ私なんて全然ダメだ…」と自己否定を強めてしまう。

そして、「もっと頑張らねば、もっとすごくならなければ」と自分を追い詰めて、完璧主義を加速させてしまうことになるんです。

 

完璧主義を緩める方法

ではどうやったら完璧主義を緩めることが出来るのか?ここからは、完璧主義な性格を少し緩める方法を紹介していきます。

完璧主義は自分の性格なので、自分の性格の特徴を見つめ、緩めていくことが必要です。そのためには以下のステップに取り組んでいきましょう。

1.50点の価値を認める

完璧主義の方は、常に完璧を目指すため完璧でなければすべて失敗と考えやすいです。これはとても極端な考えで、100点以外はすべて0点だと言ってるようなものです。

しかし、当たり前の話ですが0点と50点はまったく違います。出来なかったことばかりに目を向けるのではなく、出来ている部分に目を向ける。極端な評価をするのではなく、妥当で現実的な評価をする習慣を身につける。自分の出来たことに目を向ける、恋人の出来たことに目を向けることで、自分や恋人への愛も深まっていきます。

 

2.平凡な幸せに気付く

完璧主義の方は、完璧でなければ価値がない。完璧でなければ幸せになれない。という思い込みに囚われています。しかし実際は、世の中の大半の人は完璧ではないのに日々幸せを感じながら生きています。

それは、幸せになるのに完璧になる必要はないことの証明です。私たちの身の回りには小さな幸せ、平凡な幸せがたくさんあります。完璧主義の方はただそれをスルーしているだけなのです。

日々の小さな幸せをしっかり噛みしめる。例えば食事を味わって食べるとか。暖かいお風呂にゆっくり入るとか。日光を浴びて散歩するとか。恋人がいるなら、小さなことで一緒に笑い合ったりとか。1つ1つの幸せは小さなもので、物足りないものばかりかもしれません。しかし、それらを意識して積極的に味わうことで、心が安定し完璧でなければ価値がないという思い込みが少しずつ緩んでいきます。

 

3.自分が楽しむための行動を選ぶ

完璧主義の方は「完璧でなければ自分に価値はない」という恐怖や不安の中にいます。これは、他者からの評価が自分の価値だと思いこんでいるのです。だから他者からの評価を得やすい、お金とかフォロワー数とかイケメンの恋人だとか、わかりやすい成果を求めやすくなります。

つまり、「他者に認められたい」という思いで成果を求めるほどに、完璧主義が強くなってしまうのです。そこで、『他者に認められるため』ではなく、『自分が楽しむため』の行動を優先して行うようにしてみてください。自分の素直な心に従い、やりたいことに集中するということです。

最初はピンとこなかったり罪悪感を感じると思いますが、根気強く続けていけば、徐々に自分のやりたいことを優先する喜びがわかってきます。すると自然と他者に認められたいという思いも小さくなっていきます。

 

終わりに 完璧主義を緩めて穏やかな恋愛を

今回は完璧主義について説明してきました。

完璧主義は、「完璧でないと自分には価値がない」という不安や恐れから行動するので非常にストレスを感じやすくなってしまいます。

完璧主義を緩めることで、恋愛におけるストレスや不安が軽減され、より穏やかで満たされた関係を築くことができます。

恋愛は完璧である必要はありませんし、人生は完璧である必要はありません。

自分や恋人の出来ているところに目を向け、今この瞬間にある小さな幸せ、喜びをしっかり感じられれば、完璧でなくても充実した恋愛・人生が歩めることに気付けるでしょう。

あなたが穏やかな恋愛関係を育めることを応援しています。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

自分ひとりで進めるのが難しいと感じる方は、ぜひ当オフィスの恋愛依存克服プログラムをご利用ください。

3ヶ月間、12のステップで恋愛依存を克服する内容になっています。

恋愛依存克服プログラムの詳細はこちら

 

-恋愛依存について(コラム)