恋愛依存について(コラム)

恋愛依存と自己肯定感の関係~恋愛で苦しみやすい理由~

今回のテーマは「恋愛依存と自己肯定感の関係」です。

恋愛依存に陥る方で、「自己肯定感が低い」、「自分を好きになれない」、「自信が持てない」と悩んでいる方は非常に多いです。実際に自己肯定感が低い方は恋愛依存に限らず、様々な依存症になりやすいといった調査結果もあります。

今回は、自己肯定感とはなにか、自己肯定感が低い方の特徴、そしてなぜ自己肯定感が低いと恋愛依存になりやすいのかといった内容を説明します。ぜひ最後までご覧ください。

動画で見たい方はこちらからご覧ください。

 

恋愛依存と自己肯定感の関係

自己肯定感とは

最初に、自己肯定感とは何かを説明します。

自己肯定感とは、「自分という存在に対する肯定的な態度」のことです。自分は自分のままこの世の中に存在していいんだ。という存在レベルの肯定です。存在レベルの肯定感なので、能力は関係ありません。

何が出来ても、出来なくてもそれが自分である。と自分をありのまま受け入れられている。一方で、能力に対する自信は自己効力感と呼ばれます。これはまた別の概念です。

私は私として存在していいし、あなたはあなたとして存在してていい。これが自分の中に感覚として備わっていることが、本当の意味の自己肯定です。

 

自己肯定感と自分磨き

私のところに相談に来る方で、「自己肯定感を高めるために自分を磨きをしている」という方が非常に多いです。自分磨きをしなさいってアドバイスをされている方もよく見かけます。

しかしそれは、先ほど説明した自己肯定感の話と真逆だと気付けますか?自分磨きをしないと自己肯定感が高まらないということは、「今の自分のままでは存在してはいけないから磨け」って言ってるのと同じですよね。自分は自分のままで存在していい。という存在への肯定が自己肯定感なので、むしろ自分磨きは逆効果です。

もちろん目的があって自分磨きをするのは何も問題ありません。例えば健康のために運動するとか、キャリアップのために資格取得に励むとか。それは素晴らしいことです。しかし、自己肯定感を高めるための自分磨きならやめたほうが良いです。むしろやればやるほど、今の自分を否定することになり自己肯定感を下げてしまうので。

何度もいいますが、私は私のままで存在してもよい!という感覚が自己肯定感なのです。そこに自分の能力は関係ありません。世間的に能力が高いと言われる方でも自己肯定感の低い方もたくさんいますから。

 

能力は存在の肯定にならない

自分磨きで得た能力やステータスは、自分の存在の肯定にはなりません。確かに、努力してなにか成果が出たときや、それで他者に褒められたとき、自分の存在が認められた気がしてすごく気分が上がったり、安心した気持ちになることはあります。

しかしそれを自分の存在価値にしてしまうと、今度はそれを失うのがすごく怖くなります。例えば、自己肯定感を高めるために見た目をよくしようとダイエットに励んだとします。そしてダイエットに成功して周りの人から「きれいになったね~」と褒められる。すると自分の存在価値が認められた気がしてとても気分が良くなります。

しかし同時に、「見た目が悪くなったら私には価値がなくなる」という不安が強くなり、見た目に対する不安がますます強くなります。また、見た目のことを悪く言われたり、自分より美しい人を見ると、自分の存在価値がなくなったような気がして、「私はやっぱりだめだ…」とひどく落ち込むことになります。

能力やステータスがあることを存在価値の根拠にしてしまうと、ジェットコースターのように気分が大きく上がったり下がったりを繰り返すことになってしまいます。恐らくこういう経験をされた方も多いだろうと思います。能力があることは素晴らしいことですが、それは本当の意味での自己肯定感、つまり私は私のままで存在しても良い!という感覚とは関係がないのです。能力の肯定であって、存在の肯定ではないですから。

 

自己肯定感が高い人の特徴

では、自己肯定感の高い人と低い人は、いったいどう違うのか?特徴を簡単に見ていきましょう。まずは自己肯定感の高い人の特徴です。

①自分の思いに素直である

→自分は自分のままで良いと思っているので、自分に素直でいられる

②自分のやりたいことに取り組める

→自分に対して素直なので、他者に流されず自分がやりたいと思ったことに取り組む事ができる。

③失敗を恐れずチャレンジできる

→失敗をしても自分の存在価値は揺らがないと思っているので、前向きにチャレンジすることができる

④出来ないことを前向きに捉え努力できる

→出来ない自分はダメだ…ではなく出来ないことは出来ないこととして、出来るようになるためにはどうすればいいか?と前向きに考え努力できる(能力と存在は別だから)

⑤感情に振り回されにくい

→自分の感情をしっかり自分で受け入れて処理することが出来るので、ネガティブな感情に引きずられにくい。

⑥他者に優しく良好な関係を築ける

→自分を肯定的に捉えるのと同様、他者も肯定的に捉えることができるので、良好な関係を築くことができる。

 

自己肯定感が低い人の特徴

では自己肯定感が低い方は実際にどんな特徴があるのか?ここからは自己肯定感が低い方の特徴を紹介していきます。

ただし、特徴の出方は様々で、大きく4つのタイプに分けることが出来ます。4つのタイプは、回避タイプ、絶望タイプ、優越タイプ、承認欲求タイプです。

1つずつ特徴を紹介していくので、あなたに当てはまるタイプがないかチェックしてみてください。

 

1.回避タイプ

回避タイプは様々な問題や自分の内面と向き合うことを避けるタイプです。主な特徴としては下記のとおりです。

①自分の内面と向き合うことを避ける

→自分の欠点、弱みを見ることに耐えられない。

②自分の意見を持てない

→内面を見ることを避けた結果、自分の本当の意見がわからなくなる。

③課題を先延ばしにする

→やりたくないこと、大変なことを先延ばしにする

④努力できない

→長期的に何かを頑張ることを避け、楽に手に入るものに手を出しやすい。

⑤手に入りやすい刺激を求める

→自分の内面に向き合うことを避ける、頑張ることを避けるため、手に入りやすい刺激を求めやすくなる。

 

2.絶望タイプ

絶望タイプは、自分自身の価値を完全に見失った結果、「私にはどうせ無理」と自分の殻に閉じこもってしまうタイプです。主な特徴としては下記のとおりです。

①やる前から諦める

→何をするにも自信が持てず、どうせ無理と諦める

②失敗を過剰に恐れる

→失敗すると、自分には価値がないと絶望するため、あらかじめ避ける。

③不安感が強い

→自分のやることなすことに自信が持てず、常に不安を抱える。

④自分の意見を言えない

→自分の意見には価値がない、正しくないと感じる。

⑤他人の言いなりになる

→自分の意見に価値がないので、他人に従うことになる。

 

3.優越タイプ

優越タイプは、他者との比較に執着するタイプです。自分自身の価値を自身で認められないため、自分の価値を他の人より優れているかどうかで判断しようとします。主な特徴としては下記のとおりです。

①他者と自分を比較しすぎる

→自分の価値を他者と比較することで見出そうとする。

②他者の成功に強い劣等感を感じる

→他者の価値が上がると、相対的に自分の価値がないと感じる。

③ステータスを求める

→他者から見てわかりやすいステータスを求める。例えば年収とか、高価なものを持っているとか、SNSのフォロワー数とか。

④勝ち負けで他者を評価する

→様々なことで他者と競争し、自分より上、下で他者を比較、評価する

⑤完璧を求めすぎる

→他者に対し自分が優れていることを証明し続けなければならないので、完璧を求めることになる

 

4.承認欲求タイプ

承認欲求タイプは、他者からの承認や評価で自分の価値を見出そうとするタイプです。

①常に周りの反応を気にする

→他者からの承認を求めるため、他者に自分がどう見えているか?を常に気にする

②嫌われることを過剰に恐れる

→他者からの承認が自分の価値になるので、否定されると自分の価値がなくなってしまうと感じる

③対人関係で不安を抱えやすい

→他者からの評価を求めるあまり、対人関係で不安を抱えやすくなる

④他者に褒められる行動を優先する

→他者からの承認を求めるため、自分がやりたいことより他者に褒められるための行動を選択する

⑤指摘されると自分の存在価値がないように感じる

→仕事のミスなどを他者から指摘されると、自分の存在価値そのものが否定されている気がして、過剰に落ち込む

 

自分の価値を認められないことが原因

以上が、自己肯定感が低い方の4つのタイプです。あなたに当てはまるタイプはあったでしょうか?

どのタイプも共通しているのは、自分の価値を認められてない点です。

・回避タイプは価値のない自分を受け入れることを避ける

・絶望タイプは価値のない自分には無理と諦める

・優越タイプは競争に勝たなければ自分には価値がないと焦り、恐怖に追い立てられる

・承認欲求タイプは他者からの承認がないと自分には価値がないと強い不安を感じる

いずれも、自分には価値がないと思っているからこそ生まれる特徴です。

「自分には価値がない」という思い込みが根底にあるので何をしても苦しんでしまう。これはとてもつらい状況です。

 

恋愛依存に陥る原因になる

「自分には価値がない」という思い込みが恋愛依存につながる原因の根本にあります。自分の価値をなんらかの形で証明したい。自分自身では証明出来ないから、誰かに証明してほしい。その思いが恋人を過剰に求めるのです。

また、回避、絶望タイプは、自分のやることが出来ない傾向があるため、恋人に頼らざるを得ない部分も出てきます。

優越、承認欲求タイプは他者の承認を求めるため、恋人からの承認を強く求めることになります。

タイプによって少し理由は違いますが、どのタイプも恋愛依存に陥りやすい傾向があります。

 

恋愛依存を克服するには

恋愛依存を克服するには、「自分には価値がない」という思い込みから脱却し、自己肯定感を高めていく必要があります。恋愛依存に限らず、自己肯定感の低さは様々な対人関係で悪影響を及ぼします。

恋愛依存をいきなり克服しようとしても中々上手くいかない、失敗してしまうのは、根本の原因の自己肯定感の部分、つまり自分で自分を肯定的に認める部分というのをおろそかにしているからです。

私の行っている恋愛依存克服プログラムでも、まずは自分自身を受け入れることを重視しています。今の自分をありのまま受け入れ、自分の存在価値を見つめ直すエクササイズを行っています。これは恋愛依存に限らず、様々な問題の根本にあるものなので、結果として恋愛以外にも仕事が上手くいきはじめたり、親子関係が改善することも多いです。

これは決して、能力を高めることではありません。自分磨きをして自己肯定感を高める。というのではないのです。それは結局高まった能力を肯定しているだけであって、自分の存在への肯定ではないからです。

自分を受け入れるためには、今日までの自分を見つめ直す必要があります。自己肯定感が低くなる大きな原因は過去にあります。過去の出来事、例えば家族関係や学校の出来事などを見つめ直すことで、「自分には価値がない」という思い込みが生まれた理由がわかってきます。

次回は自己肯定感に大きく影響を与える子どもの頃の体験について説明します。

 

終わりに あなた探しの旅を始めよう!

今回は自己肯定感とはなにか、自己肯定感が低い方の特徴と恋愛依存との関連について説明してきました。

あなたが今、自分が好きになれないとか、恋愛依存を克服出来ないと悩んでいるなら、まずは自分自身の特徴を見つめるところから初めてみましょう。先ほど説明した4つのタイプやその特徴から、自分がどれが当てはまっているか?そしてなぜその特徴があるのか?見つめてみてください。

自己肯定感は自分自身の存在に対する肯定です。それを高めるためには、意識を自分の内側に向けていくことが重要です。誰かに褒められるとか、外に刺激を求めるのは、あくまで一時的な穴埋めに過ぎません。あなたはあなたとして存在していいのです!ただ、それをあなた自身が信じられていないからだからこんなに生きづらいし苦しいのです。他の誰かは関係ありません。あなたがあなたとして生きて良いと信じることが出来たなら、世界は代わります。

そのためには意識を内側に向け、あなた自身を見つめ直し、自分の存在価値を認めてあげる必要があります。これは自分とは何かを探す心の旅のようなものです。今回の内容が、あなたが自分自身を見つめ直すきっかけになれたら、こんなにうれしいことはありません。

また、次回は過去の体験と自己肯定感の関係を説明していきます。ぜひそちらもご覧ください。心の旅を続け、一緒に過去をさかのぼっていきましょう。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

自分ひとりで進めるのが難しいと感じる方は、ぜひ当オフィスの恋愛依存克服プログラムをご利用ください。

3ヶ月間、12のステップで恋愛依存を克服する内容になっています。

恋愛依存克服プログラムの詳細はこちら

-恋愛依存について(コラム)