今回のテーマは、「共依存と自己犠牲」です。
ここ何回か共依存についてお話していますが、今回は共依存を共依存たらしめている「自己犠牲」についてです。
「共依存とはなにか」については、以前説明しているのでそちらをご覧ください。
あなたが、苦しくても相手に尽くしてしまう…気付けば相手の言いなりになっている…そんな悩みを持っているなら、もしかしたら共依存が原因で自己犠牲的な行動を取ってしまっているのかもしれません。
あなたの状態をしっかり理解し、克服に向けて歩き出していくためにも、ぜひ最後までご覧ください。
動画で見たい方はこちらからご覧ください。
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共依存と自己犠牲
自己犠牲とは
最初に、自己犠牲とは何かというところを見ていきましょう。
自己犠牲とは、自分自身の欲求を犠牲にして、自分よりも他者の要求を満たそうとすることです。自分 < 他者になるということですね。
自分の時間を犠牲にして相手に尽くすとか、自分の気持ちを押し殺して相手の気持ちを優先するとか。自分でお金を使わず、相手に貢ぐとか。そういった様々な自己犠牲的な行動が生まれます。
そしてこれは、そのままずばり共依存の大きな特徴とも言えます。
共依存と自己犠牲の関係
以前、『共依存とは』の動画の中でも説明していますが、共依存が発見されるきっかけになったのが、『アルコール依存症の夫を支える妻』だったことからも明らかです。
アルコール依存症の夫を黒しながら支える妻。これはまさに自己犠牲と言えます。
このように共依存と自己犠牲には密接な関係があります。
というかむしろ、他者に依存し過剰に他者を支える状態を共依存と呼ぶのです。
共依存を共依存たらしめている、大きな特徴が自己犠牲ということです。
なぜ自己犠牲的になってしまうのか
では、なぜ共依存者は自己犠牲的になってしまうのか?
それは共依存が生まれる背景と非常に関係があります。
ここでは大きく4つ原因を説明していきます。
1.子供の頃からの習慣
『共依存とアダルトチルドレン』という動画でも説明していますが、共依存になる原因として、幼少期の経験というのが大きく影響していることが多いです。
共依存になる背景として、アダルトチルドレンであること。ということを説明しました。
アダルトチルドレンは、子どもの頃に虐待をしてくる親や、しつけの厳しすぎる親といった問題のある家庭で育てられたケースが多いです。
そして、そんな家庭で育てられると、自分の思いを押し殺して、親の言う通りに行動しなければならないという風に無意識に刷り込まれていきます。
『自分の思い < 親の思い』ということで、これはまさに自己犠牲的ですよね。
子どもの頃からずっと自己犠牲的に生きてきたから、今も自己犠牲的に生きてしまうということです。
2.自己肯定感の低さ
共依存の方は、基本的に自己肯定感が低い傾向があります。
「自分には価値がない。だから~しなければならない」という風に考えやすいです。
例えば、自分磨きをしなきゃいけない。出世して偉くならなきゃいけない。相手に尽くさなければならない。
そうやって、自分磨きをしたり出世したり、相手に尽くした結果、他者からの肯定を得ようとする。
自己肯定感が低いから、他者の肯定を得ようとする。それが過度な自分磨きや自己犠牲的な行動となって表れることになります。
3.関係が終わることへの恐怖
共依存は相手への依存です。依存しているということは、当然離れるのはとてつもなく怖いです。
以前、『共依存と離脱症状』という動画でも説明していますが、依存を断つと離脱症状という辛い症状が出てきます。それが出てくるのが嫌なのです。
だからなにがなんでも相手との関係を続けようとする。その結果、相手の言いなりになり自己犠牲的な行動が増えることになります。
我慢して相手に尽くすほうが、一人になるよりはマシだということですね。
4.自分の気持ちがわからない
共依存の方は、自分自身の気持ちを適切に表現できない。ということが多いです。
それは、子どもの頃から自己犠牲的に生きてきたせいで、自分自身の気持ちがわからなくなっているからです。
自分自身の気持ちがわからない。自分が何をしたいかわからない。
だから、相手の気持ちが自分の気持ちだと勘違いし、相手の人生に合わせようとすることがあります。
その結果、相手に合わせた行動を取り、自己犠牲的になってしまうことになります。
ある意味で、自分の思いがわからないから当然だとも言えます。
ただ、わからないだけで、奥底には必ずあるのです。ただ表面に浮かんできてない状態なだけです。
なので、奥底にある自分の思いは、ずっと悲鳴をあげています。だから苦しいのです。
そしてこれが、共依存そのものの原因にもなってきます。自分がわからないからどう生きていいかわからない。そうなると依存してしまうのは当然です。
自己犠牲から抜け出すために
では、どうやったら自己犠牲的な行動から抜け出すことが出来るのかをお話していきます。
まぁ、原因を見てもらえればなんとなくわかってもらえるかなとは思いますが…。
自己犠牲から抜け出すために必要なことは大きく2つです。
①自分の思いに気付けるようになる
②気付いた自分の思いを受け入れる
①自分の思いに気付けるようになる
先ほど、子どもの頃から自己犠牲的に生きてきたせいで、自分の思いに気付けなくなっている。その結果、自分の思いがわからず相手に合わせてしまう。と説明しました。
まずはこの状態を改善していかなければなりません。
この記事を見ている方は、きっと自分の自己犠牲的な行動が苦しいと感じているからだと思います。
自己犠牲が全く苦しくないなら、自己犠牲を止めたいなんて思わないはずですものね。
そしてなぜ苦しいかと言えば、奥底にある自分の本当の思いが悲鳴を上げているからです。「私の思いに気付いて」って悲鳴を上げているんですね。
その思いにあなた自身が気付いてあげないといけません。
これには日記が非常に役に立ちます。日記というのは自分自身との対話ですから。言ってみれば独り言なんです。
自分の思いに気付くためには、いっぱい独り言を言うこと。
ただし、奥底の思いは簡単には表に出てきてくれません。1週間、2週間続けたくらいでは全然足りません。
数ヶ月、半年、1年。そういう長い期間をかけて自分とじっくり対話し続けてみてください。
②自分の思いを受け入れる
そうやって長く自分と対話していると、少しずつ自分の思いも顔を出してきます。
それは、今まで自己犠牲的に生きてきた自分にとってすれば、すごくワガママに見えてくるかもしれません。
それはそうです。これまでは、自分を殺して相手のために生きてきたんですから。
そんな自分が、自分の欲求を吐き出すなんて、とても恐れ多いことで、自分はなんてワガママなんだ!ってせっかく出てきてくれた自分の思いを否定したくなります。
しかし、それがあなたなのです。自分自身を否定していたら、また自己犠牲的な自分に戻ってしまいます。
なので、表れた自分の思いをしっかり受け入れてあげる必要があります。これが私なんだって。
自分の思いに気付き、自分の思いを受け入れていく。それこそが自分軸というものです。
終わりに 他人軸から自分軸へ
本日は、共依存と自己犠牲の関係について説明してきました。
共依存の方は子どもの頃の経験などから、自己犠牲的に相手に尽くすのが当たり前になってしまっています。
それは、自分軸を失い、他人軸で生きているとも言えます。
なので、自分の思いに気付き、自分の思いを受け入れ、自分軸を育てていくことが重要なのです。
そして、自分軸が育てば、自己肯定感も上がり、自分に対する納得感が生まれます。
その納得感を持って、自分の人生を生きていけば、他者に依存する必要がなくなり、自己犠牲的な行動も減ってきます。
ぜひ、他人軸から自分軸に戻して、自分自身の人生を歩んでください。
では、本日の内容は以上です。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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